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◆ ◆ ◆
出会った頃、カズマはただの後輩だった。
放課後、部活の時刻になるとどこからともなく現れて、俺だけと目が合う場所に陣取って、ひたすら俺だけを見つめてくる。
とてつもなく粘着質な両目。
ジメジメした日陰にひそむ様は妖怪のよう。
毎日毎日それが続き、もしかすると俺以外には彼が見えていないのかもしれない――と、怖くなって話しかけたのが運の尽きだった。
「……雄太(ゆうた)先輩の、……かっ、壁に、なってみたい……」
と、いうのが第一声だった。
「はい?」
何を言われてるのかまったく分からない。
ただ、彼の据わった目は俺が持つ卓球ラケットとピンポン球を見ていた。
かなり熱烈に。
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