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ハロウィンSS 邪な年頃1
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小牧の会社で、ハロウィンパーティーがあるらしい。
「お前も来れば??」
ハロウィンまであと一週間に迫った夕刻。会社帰り。自宅でネクタイの結び目を解く同居人にさらっと誘われて、旭は目を丸くする。
「えっ!?い、いやぁ…。ただの友人がくっついてくる…??」
それがさ、と小牧はスーツの上着を脱ぎながら言う。旭は何となく傍によって、脱ぎかけの上着を背後から回収する。
「おお、サンキュ。…うちの会社の人が主催するパーティーってだけで、そんなに硬いもんじゃないんだよ。会社の場所借りるから、どんどん人呼んじゃって~…ワンチャン広報にもなるし~って感じで。」
「…何ちゅうか…ラフなパーティーだな。」
「うん。俺の同期なんて、彼女に友人五人にあと妹さん呼ぶっつっていた。取引先の人は六社ほど声をかけているみたい。その人達も、家族とか友達を呼ぶって。数週間前から仮装の話題で盛り上がるらしい。」
Yシャツのボタンをぷちぷち外している彼を旭が眺めていると、相手はにひひと笑う。
「あ~さひ。」
背中に回した腕で引き寄せられ、同居人の耳元で小牧が囁く。
「…外して。」
「ん。…って、コラ。耳はやめろ。擽ったい。」
小牧の顔を片手で押しのけて、同居人はボタンに手を伸ばす。上から三つ目から、順に外していく。…何だか、自分が積極的に脱がしているみたいな錯覚に陥る。
「俺が邪魔にならないなら、別に行ってもいいけど…。仮装って、やんなきゃダメ??」
気恥ずかしさを紛らわせようと、話を変える。
「まぁ、できたらしてよくらいの感じかな。ちなみに、俺は百均のパーティーグッズで魔女しまぁ~す。」
「本当に軽めの仮装だな!!」
突っ込んだ後で、でも俺は何が似合うだろっと旭は呟く。
小牧は肩を竦めて、微笑む。
「旭なら、何でも似合うだろ。狼男でも吸血鬼でも…あっ、夢魔のコスプレしてもらいたい。」
「露出度多い系はやめろよ。」
明らか、相手は頭を落としてしゅんとなる。
「…じゃあ、ジャックランタンする??カボチャくり抜くの手伝うよ??」
「隠しすぎだろ!!…あと、どんだけ本格的にするつもりだ、百均野郎!!」
旭がケラケラと笑い出すと、相手は口元を和らげる。二人の視線がふっと絡み合うと、どこからともなく甘い空気が流れ出す。どちらともなく、距離を詰める。気づくと眼前に相手が迫っていて、互いの唇を重ねていた。
「…あっ。」
唐突に声を発する小牧に、同居人は薄く笑って促す。
「…どうかした??」
「…旭にぴったりの仮装、思いついた!!ミイラ男だ。」
旭は微苦笑を浮かべる。
「だから、全身隠す系じゃなくてもいいってば。」
「違うよ。よく考えれば、ミイラ男ってロマンに溢れているんだって!!」
「はあ…。」
小牧の突然の演説に、同居人は若干身を引いて頷く。
「ミイラ男の包帯を一回りずつとっていく時…。」
「…そういや、ミイラ男の中身って何だろ。ミイラ??腐臭を放つボロボロの肉とひび割れた骨??」
旭の純粋な疑問に、相手はしゅばっと両耳を手で塞ぐ。
「ヤメテ!!夢が木っ端微塵になる話しないで!!…あとエロい話してんのにグロい路線にもっていかないで!!」
「エロい話だったのか…。悪かった。」
小牧は両耳から手を退け、再び喋りだす。
「ミイラの包帯の下には剥き出しの肌があるわけだろ??つまりはくるくると解いていくと、ちょっとずつ肌が見えていって…うおおっ!!これぞ男のロマン!!」
「時代劇の帯ぐるんぐるん解いていって『あ~れぇ~』プレイじゃねぇか!!」
「旭、仮装はミイラ男にしよう!!」
肩をがっしりと掴んでくる小牧に対し、相手はやってられるか、彼の手を薙ぎ払う…。
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