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こんなことにはならないはずだった。
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いつものように仕事を終え、今日は閉店までいた。
裏に入り、椅子に腰掛けていると、人の気配が。
「お疲れ様、梓くん」
「あれ、黒川さん。まだ帰ってなかったのですね。」
「もう帰るよ。挨拶をしに顔を見せに来ただけ。」
そうニッコリと微笑む。
「そうなんですね。でも、裏まで入ってくるのはだめですよ。」
「黒川さんだけ特別ですからね。いつもうちに来てくださる常連さんですから。」
注意していると仕事を終えたマスターがやって来て言う。
「ごめん、ごめん。梓くん、今日顔が強張ってたから、体調大丈夫かなと思ってね。」
ギクリとした。
普段から何事も顔に出さないようにやってきたが、今日は見抜かれた挙句、心配までされている。
人前に立つ仕事だというのに、情けない。
「ご心配かけてすみません。大丈夫ですよ」
「日頃からの疲れでしょう。梓くん、ゆっくり休んでと言いたいところだけど、ちょっと話があるから後で私のところに来てくれる?黒川さん、お疲れ様でした。」
マスターはそう言って、着替えに行った。
「え、はい。分かりました。」
何も考えずに返事をした。
普通に会話ができていることに喜びを感じていた。
「じゃあ、俺は帰るよ、また来るね。おやすみ。」
「おやすみなさい。」
そう言って、黒川さんは帰って行った。
仕事は終わったが
まだ僕には一つの試練がある。
なんの話があるのだろう。
まさか、クビとか、、。
それはないと信じたい。
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