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「…はぁ。」
早朝、布団の中。
隣には、まだ爆睡中の蒼空がいる。
蒼空と共に暮らし始めて一週間が経った。
朝を迎える度、前夜のことを思い出しては溜め息が出る…。
理由は、至って単純だ。
俺が、蒼空に付いていけないから。
蒼空の性欲に、俺は付いていけないのだ。
正直、俺は一回が限界だ。
蒼空のために我慢して尻を出すわけじゃない。
(初めは確かに抵抗があったのだが)一回目は普通に気持ちが良い。
もっと蒼空が欲しいという思いも、…無いことはない。
だが、どうしても連続二回戦は無理なのだ。
蒼空と出会うまで一切色恋沙汰に興味が無かったことも関係しているのかもしれない…。
自分の恋愛対象が同性だと気づいたのも蒼空のおかげで、それ以前は俺に人間の三大欲求のうちの一つがきちんと備わっているかすら分からない程だったが…まぁ、今はその話は置いておこう。
お付き合いを始めた頃に一度挑戦してみたが、駄目だった。
身体の疲れもあるのか…二回目は痛みしか感じず、すぐにやめた。
それ以降、蒼空が二回目を求めてきたことは無い。
…が、俺は知っている。
事に及んだ後、こいつは必ず布団を出ていく。そして5~10分程度で戻ってくる。
どこに何をしに行っているのかは大体察しがつく。
蒼空は、俺との行為だけでは足りていない。
一緒に暮らし始めてから、それは確信に変わった。
俺は身体の関係などどちらでも良いのだが、蒼空にとってはそうではないのだろう。
でも、蒼空がそれを隠そうとしている限り、俺からその話をすることはできない。
蒼空が好きだから…その気持ちに応えられないのが辛い。
「ん……」
「…蒼空?」
「……あ…、あすかぁ、おはよぉぉ」
「おはよう」
ふにゃりと笑った無防備な笑顔。
「…なんじ?」
「6時47分」
「早っ…!もう少し寝て良い?」
「好きにしろ」
そうしてまた眠りに落ちて行く蒼空。
その寝顔が愛おしい。
…蒼空の気持ちに応えられない俺は、いつか愛想をつかされるのではないかと、最近不安に思っている。
性の不一致は、世間一般の男女の別れる原因でも、常に上位のはずだ。
…なんとか、せねば。
───
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