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CAGE1:それは奇妙な巡り合わせ44
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男は俺の視線に気が付いて、後ろを振り返る。
途端、ニヤリと嫌な笑顔を見せた。
そして勢いよく二人に向かって走り始める。
「くそっ…………」
その背中を追うも、なかなかに足が速い。
「ーー立花、逃げろ!」
張り上げた声に立花と雪見はこちらに気付いた。
が二人が動き始めるよりも、男が近付いていくスピードの方が速い。
追いかける刹那、男の懐に光るものが見えた。
コイツ、もう一本ナイフを持ってたのか……。
男は止まることなく雪見に突進していく。
だめだ、このままじゃ間に合わないーー。
「やっと、やっと会えた。」
そう呟く男は満面の笑みだ。
対して雪見の方が完全に腰が引けてしまっていて、動けずにいた。
「会いたかったよ、雪見くん。」
男と雪見が接触する直前、二人の間に一つの影が立ち塞がった。
「ーー!?」
「させません。」
男が驚愕の表情を浮かべ固まった。
俺はその隙に間を埋めて、男の首根っこを掴み、後ろへ放った。
ピチャッと赤い滴が地面に滴る音が同時に鳴った。
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