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CAGE1:それは奇妙な巡り合わせ51
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その背中を見届けて、立花のいる部屋へ移動する。
ベッドの上の立花は先程よりは落ち着いた呼吸をして眠っていた。
痛みの分が無くなったのだろう。
立花の横、空いているスペースに腰掛けるとベッドが軋む。
その反動で立花がゆっくりと瞼を開けた。
上気した顔と潤んだ目は薬が効いている証拠だ。
頬に触れるとビクッと身体が反応した。
「…悪い。」
「いいえ……倉橋さんの手、冷たくて気持ちいいです。」
手にすり寄るような仕草をする姿は猫のようだ。
「あの、ここは……?」
「俺のバイト先だ。治療を依頼した。」
「……すみません。ご迷惑をお掛けしてしまって…」
撫でていた頬を軽く摘まんだ。
「……謝罪なら治ってからするんだな。」
「はい………ンッ……」
ぶるっと身震いして、立花は身体を抱え込む。
「……すみません、何だか身体がおかしくて…」
「あのナイフに興奮作用の薬が塗られていたらしい。それが効いているんだろう。」
「ああ、そういう、こと……ですか。どうりで頭が回らない……ハァッ……」
立花はまた呼吸を乱していく。
なるほど定期的に興奮を抑揚させる作用か。
「んん……ハァッ……」
「息を吐け、ゆっくりだ。」
背中を擦れば身体は強張る。
「ん、やぁ……触ら、ない……で……」
そう言いながら立花の手は俺にすがる。
頭と身体にコントロールが上手く働かないようだ。
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