アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
CAGE3:少年の記憶と過ち17
-
洋side
上月の呼び出しはあまりいい予感がしない。
むしろ嫌な予感が募る。
思わず溜め息をついて、それから何でも屋の扉を開いた。
中には上月と葉桜、それから見知らぬ男二人が待ち構えていた。
「急に呼び出して悪かったね。」
なんて口にする上月は全く悪びれている様子がない。
それには返さず中へと入り、見知らぬ男二人に視線を流す。
一人は漆黒の柔らかそうな髪と、それに負けないぐらいの黒い瞳。切れ長な為か目付きの悪い印象だ。
あまり人のことは言えないかもしれないが……。
身長は俺と変わらないぐらいで、体格もさほど差はない。
彼は綺麗な佇まいをして俺を睨んだ。
そんな彼に寄り添うようにもう一人は影に隠れた。
漆黒よりは柔らかな黒、少し癖っけのある髪質のようだ。
タレ目で優しそうな印象を受けるが、俺に警戒しているのか酷く怯えて見えた。
共通してとても白い肌をしていた。
俺も立花も肌は白い方だが、コイツらは一度も陽の光を浴びたことがないのではないかと思えるぐらいの白さだ。
数秒間の沈黙を破ったのは上月だった。
「はいはい、そんな睨み合わないの。ちゃんと紹介するから。この二人も何でも屋の従業員。城峯 蒼(シロミネ ソウ)くんと城峯 紅(シロミネ コウ)くんだよ。腕の立つ情報屋なんだ。」
同じ苗字……
見た限り親子ではないだろうから、兄弟か。
「で、彼はさっき話した倉橋 洋くん。暁斗くんの面倒見てくれてる。」
どうやら事前に俺の情報はインプットされているようだ。
「はい、挨拶!」
にこにこ無責任に笑う上月は楽しそうだ。
「………よろしく。」
短く告げて、手は差し出さなかった。
目付きの悪い方は返すことなく、興味を無くしたように俺から視線も外した。
「蒼兄さん……」
対してもう一人、口振りから弟の紅の方が、困った表情をして蒼の服裾を掴んだ。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
104 / 269