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CAGE4:あの日の同罪ー倉橋 洋ー39
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目の奥に熱いものを感じて、ぐっと耐える。
いけない、と首を横に振る。
悲観的になってはだめだ。
面会に行くときは笑って会いたいな……。
手にしたマフラーをぎゅっと握って、寝室へ戻る。
起き上がりベッドに腰掛けていた倉橋さんの首へ、ふわりとマフラーを掛けた。
「……これ。」
「マフラーです。ちゃんと手作りしたんですよ。歪ですが寒さは凌げるはずです。……暁斗くんとお揃いなんですよ。」
「………そうか。暖かそうだ。」
倉橋さんはマフラーに触れ、笑い、そう言った。
「暁斗くん……まだ面会は行けませんよね……。」
「色々手続きがあるからな。面会の許可が出たら一番に行こう。」
「はい……。さて、昨日は何も作れませんでしたし、今日こそ沢山作ります!」
グッとガッツポーズを見せると苦笑が返ってくる。
「買い物、付き合っていただけますか?」
「……ああ。そうだ、立花。」
出掛ける準備をしようと振り向きかけた僕の手を、倉橋さんは引いた。
「何ですか?」
「……俺からもプレゼント。」
「え………」
差し出されたのは小さな包み。
僕はそれを見て数秒間固まった。
「……立花?」
怪訝な顔で名前を呼ばれ、正気に戻る。
「これ、僕に……ですか?」
「……他に誰がいるんだ?」
「…あ、ありがとうございます。まさか貰えるなんて思ってなくて……」
勝手なイメージだけれど倉橋さんってイベントとか興味ないと思ってましたし……。
「……アンタが楽しそうだったから。」
「え?」
「……何でもない。」
「開けてもいいですか?」
「ああ。」
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