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甘え④ 青ver.1
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兄者と付き合って3ヶ月が経った。
ずっと兄者のことが好きだったけど、いつも兄者とは喧嘩ばかりで俺のことなんて好きじゃないと思っていた。
でも、兄者から好きだと言われ、嬉しさと同時に驚きも大きかった。
兄者と付き合えて本当に幸せで、それだけで良いと思っていたんだけど、人はどんどん欲張りになるらしい。
俺はもっと兄者と恋人らしいことがしたい…!
正直付き合ってから一度も手を繋いだりとか、イチャイチャするみたいな、そういうことが一度もない。
兄者と弟者は一緒に住んでいるし、兄者も仕事が忙しくてなかなか会えなかったり、俺と休みも合わなくて、仕方ないのは理解している。
でも、兄者は何も思ってないのかな…?
大事にしてくれているって思えばそうだけど、逆に俺と付き合ったことを後悔しているのかな…。
俺のこと本当に好きなのかな…。
やばい!すごく女々しいじゃん!俺の方が年上なのにこんなに余裕ないなんて余計に嫌われる!
自分に嫌気が刺して思わず大きなため息が出る。
「…おついちさん?」
「へっ!?」
目の前で食事をしている兄者が俺の顔を覗き込む。
「なんか元気なくない?ご飯美味しくなかった?」
「いやいやいや!まさか!!美味しいよ!元気だし!」
考え事をしすぎて兄者が作ってくれたご飯を弟者と3人で食べていることを忘れていた。せっかく兄者が作ってくれたのに!俺は何をしてるんだ!今は目の前のことに集中しなきゃ!
今まで考え事をして箸が進んでいなかった分を取り戻す為にも急いであれやこれやを食べる。本当にどれも美味しくて兄者は何でもできてすごいと思うのと同時に俺なんて釣り合わないんじゃないかとまた負のモードに陥っていた。
「……本当にどれも美味しいや。」
「言ってることとテンション違くない…?」
そう兄者に言われ、もう一度負のモードを振り払ってご飯をたべ進めていた。
すると弟者の携帯が鳴った。
「ん?何だろ、仕事かな〜やだな〜。」
そう言いながら自分の部屋に行って電話をしに行ったようだった。
一方で俺は口一杯にご飯を頬張りつつ、チラッと兄者を見ると目が合ってしまった。
やばい、なんか意識しすぎて急に胸が苦しくなってきた。
「さっきから百面相してるし、そんなに急いで食べなくてもご飯は逃げないし、一回落ち着いたら?」
兄者が俺を見て笑っていた。たったそれだけだけど、俺も嬉しくて、でも女々しい俺を知られたらと思うと恥ずかしくなった。
ようやく俺がご飯を食べ終わり、兄者が料理をしてくれたので俺が皿洗いをすることにした。
「弟者戻って来ないね。仕事の電話かなー?」
「あー、なんか今忙しいって言ってたなー。」
リビングのソファに座りテレビを見ている兄者に、シンクで皿洗いをしながら話しかけるが、あまり会話も続かない。
今なら2人きりだし、早く終わらせてちょっとでも兄者と話したい!
そんな思いから猛スピードでお皿を洗っていたばかりに案の定お皿を床に落として割ってしまった。
ガシャンッ
兄者も察したのかソファに座ったまま後ろのシンクに目を向ける。
俺は怒られると思って急いで片付けようとアタフタしていた。
「痛っ…!」
お皿の破片で指を切ってしまった。何にもできない自分が情けなくて、こんなんじゃ呆れられてしまうと思うと、涙が出そうになる。
すると兄者が新聞や掃除機を持って俺のところに来てくれたみたいだ。
「大丈夫?片付けるから、まず水で洗って。」
「あ…うん…ごめんね…。」
怒られると思ったのに、物凄く優しい言葉をかけられてしまった。手際良く片付けもしてくれて本当に申し訳ない。
「見せて」
言われた通り兄者に傷を見せる。
水で洗ったから血がジワジワと出てはいるけど、それほど深い傷ではないようだった。
「絆創膏でいけそうだな。」
そう言い、絆創膏を探して持って来てくれて、貼ろうとしてくれたところで手が滑ったのか、床に落としてしまった。
お互いに絆創膏を拾おうと床に座り込んだが、兄者が拾う。
兄者が絆創膏を貼ろうと俺の手に触れた。
そして、兄者との距離が近いことに気付き急にドキドキしてきた…。
「はい。深い傷じゃなくて良かったけど、ボーッとしてると危ないから。」
そう言って俺の頭をポンポンと撫でてきた。
こんなことをされて俺は顔が真っ赤になってると思い、兄者の顔も見ずにお礼だけ言って立ち上がろうとした。
「あ、ありが…」
すると、兄者が両手で俺の顔を上げ、兄者と目が合い、どんどん顔が近くなっていく。
そして、そのまま兄者の唇が重ねられた。
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