アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
そのじゅうなな
-
露になった肌を室内の空気がひたりと覆う。暖められているはずのそれに、自分の身体の熱を思い知らされる。
じゃあ初対面だとして、だ。二人に共通することといえば……。
大学はないとすると…………俺か。
俺何かしたか……?
「ねぇ、なに考えてるの?心ここにあらず?」
一向に集中する気配のない俺に気付いた波瑠が漸く唇を離した。
「お前さ……」
俺の声に身体をまさぐる波瑠が手を止めた。
「…………何?」
焦りで目が爛々としている。
『アイツと何かあったのか?』
喉まで出た疑問は、けれどそこで道を塞がれた。俺の脳が、今言ってはいけない、言うべきタイミングではないと警報を鳴らす。
それもそうか。
「いや……明日……の予定は?」
雰囲気に似合わない問いに波瑠が虚を突かれたような表情を浮かべた。
「明日?うーん……まだ決めてないけど。なんで?」
どうでも良くない?って波瑠の顔に書いてある。
でもな、俺からしたら結構重要なんだよ。例えば、そう……
「チェックアウトの時間とか、何も聞いてねーから」
その時間までに俺は復活しなければならないわけで、それはこれからの時間の身の振り方に関わってくる。
「チェックアウトは11時」
「なるほど」
想定よりは1時間遅いが、波瑠の状態を考えるに牽制は必要だ。
「じゃあ、お手柔らかに」
「うっ……」
「善処します」と囁かれたその声は少し掠れていて、何処と無く悩ましい。だけどそこに含まれるのは、波瑠がバーで苛まれてた事とは明らかに違うのだろう。
猛攻な瞳に覗き込まれ、惹かれる様に目を合わせる。互いの額が合わさると波瑠の輪郭が滲んだ。
波瑠の中ではどう処理されたんだろうか。何処かに着地出来たのか、それとも蓋をしたのか。若しくは今こいつを悩ませている熱に溶けたのか。
ぼやけた視界の中、唯一はっきりと認識出来る瞳は純真無垢そのもののように瑞々しいのに、そこに浮かぶのは劣情に苛まれた雄で、捕らえられ逃げ場を失っていく。
俺は小さく息をはいて熱を逃がした。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
17 / 24