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そのじゅうはち
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「手始めに移動な」
この部屋の構造を、俺はまだ知らない。
いつの間にか閉じていた扉と、絨毯のひかれた床と、クリーム色の壁。俺がこの部屋に来てから知ったのはそれだけだった。
「うーん?」
妖しく笑う波瑠に、善処する姿勢はどこいったんだよと呆れる。それなのに、なかなか縮まらないベッドとの距離に何故か身体が熱くなった。
「……酔ってんのかこの獣め」
「でもいつもよりは人間的だよ?」
「は?んぅッ……!」
胸の突起が引っ張られ、それを指先でくりくりと捏ねられて背筋を何かが駆けていく。
「だってお酒入ってるからね」
「ぅんッ……はッ……酒……」
つまりシラフの方が獣的だと。だけどそれって一般的には……
「酒入ってる方が本能的なんじゃねぇの?」
「うーん?」
俺の質問にニコニコと嬉しそうな顔で、応える代わりとばかりに突起をギュウッと摘ままれた。
「んんッ!……ッ……おい!いい加減にッ……!」
「ごめんお酒入ってるからつい本能的に……ね?」
ああ言えばこう返してくる。しかも身体にだ。
絶えず与えられる小さな刺激に翻弄されながらもベッドを諦めきれない俺もどうかしてる。
いや、ベッドは最低条件だ。明日自力で歩くための。
仕事の休憩の時とは大違いだなと内から笑う声がした。
あの時はとにかく波瑠の肌に触れる事だけが頭を占めていて、互いを求めるままに触れて混ざって溶け合うような、そんなセックスがしたいとかなんとか……待て待て、あの時だってベッドの上でを前提に考えてた……はずだ。
こんな風に玄関前では思う存分に乱れられないだろ……。
そう言いながらも身体はそんなことはなく、既に俺の意思を裏切っている。
くそ……強請るのは嫌だったんだけどな……。
波瑠の首に腕を巻き付ける。それから耳に唇を寄せ、吐息と共に「ベッド」と吐き出した。
「うん?」
ニコニコしやがって……絶対分かってんだろこいつ……。
「……ベッドで、したい」
耳を食み、舌が触れるようにもう一度言った。
「ふふっ……仰せのままに」
「ぅんっ……」
身体が浮き、反射的に波瑠の肩を掴む。軽々と抱き上げられたその衝撃すら熱に変わり喉が啼いた。
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