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ゲームの最終日 …7
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無言で王宮の奥へと歩くアルフレッドに手を引かれ、ルシエルはどう声を掛けるか迷っていた。
なぜか、アルフレッドの様子がおかしいような気がしたのもあるし、後ろに護衛騎士が付いてきている状態でそんなアルフレッドに何を言えば良いか悩んだのもある。
そうこうしているうちに、アルフレッドはルシエルが入ったことのない区画にズンズンと入っていった。
屈強そうな王宮騎士に護られる通路を抜けるたび、ルシエルは焦りが募って行った。
「あ、アル、フレッド様?どちらへと向かわれているのですか?」
「……いつも通りで良い」
「え?」
「ルゥはもう、大抵のところへ出入り出来る権限を与えられたからね。私の、婚約者候補として。後ろの護衛も、さっきの入り口の騎士も、私達の仲を知っている」
「……えっ?」
"婚約者候補"という、まさかアルフレッドからそんな言葉が出てくるとは予想もしていなかったルシエルは、思わず足が止まりそうになった。
しかしアルフレッドに手を引かれ、立ち止まることは出来なかった。
アルフレッドに言われたことを反芻したルシエルの頬が、徐々に染まっていく。
(僕が……婚約者候補って、こと?だよね?)
先程のダンスの途中で言われた『同性婚を認める』という言葉を思い出し、ルシエルは今更ながら幸せの渦に溺れそうになった。
しかしそのドキドキは、アルフレッドの一言で別のドキドキへと変わる。
「今向かっているのは……私の部屋だ」
「……え?」
「ッ、クク。……さっきから『え?』ばかりだな」
「だ、だって」
「詳しい話は後だ。……着いたぞ」
アルフレッドがある扉の前に立つと、後ろの護衛騎士の一人がその扉を開いた。
アルフレッドはルシエルの手を引いて中に入ると「お前たちはもういい」と、騎士を扉の中には入れなかった。
そこは、ルシエルが今まで見たことのないような、豪華な造りの部屋だった。
置いてある家具や絨毯は、一目で高価と分かるような代物だ。
「どうした?そんな顔して」
「だって、その……ここ、アルの部屋だよね?僕、入っても、良いの?」
「ルゥなら構わないよ。それにここは二度目だろう?……あぁ、覚えているのは、寝室の方かな?」
そう言ってアルフレッドが寝室のドアをチラリと見ると、ルシエルはそこであったアレコレを思い出して顔を真っ赤に染めた。
そこは、初めてアルフレッドと繋がった場所だ。
「風呂は?」
アルフレッドが部屋の隅に控えていた侍女に声をかけた。
「ご準備出来ております」
「ご苦労。では、もう下がって良い。明日は、呼ぶまで来なくていいぞ」
「かしこまりました」
侍女が出て行くと部屋の扉が閉められて、アルフレッドとルシエルは二人きりになった。
と同時に、アルフレッドがルシエルを抱きしめた。
「はぁ……」
そんな吐息を漏らしながらルシエルに抱き着くアルフレッドが可愛らしくて、ルシエルは思わず笑みをこぼした。
先程の騎士や侍女はアルフレッドのこんな姿を見たことあるのだろうか?と思うと、嬉しさと恥ずかしさが込み上げてくる。
王太子の部屋という緊張を強いられる空間に於いても、アルフレッドの腕の中でルシエルは安心感を得た。
ルシエルがギュとアルフレッドを抱きしめ返すと、アルフレッドはルシエルの耳元へと唇を寄せた。
「も、限界」
その言葉と同時に、アルフレッドはルシエルへと腰を押し付けた。
硬い膨らみを服越しに感じたルシエルは思わず腰を引いたが、アルフレッドの腕はそれを許してはくれなかった。
「アル?そのっ、どうした、の?」
急激に伝わってくる熱量に、ルシエルも釣られて熱くなっていく。
「あー……ダンスの途中から抑えるのに大変だった。会場を出た後は……このジャケットを着てなかったら、事件だな」
「ええっ!そんな、とこから?」
先程の、無言で早足に歩くアルフレッドを思い出して、ルシエルは思わず吹き出した。
その様子に、アルフレッドがムッとする。
「笑うな。可愛らしくしてるルゥが悪いんだからな」
「え?なん……っっ」
ルシエルの反論は、アルフレッドの唇に塞がれた。
激しく唇を吸われているうちに、ルシエルの身体から力が抜けて行く。
そのタイミングで、アルフレッドの舌がルシエルの口をこじ開けた。
「んあ……ん、ぅ」
口内を弄るアルフレッドの舌が、ルシエルの快感を呼び覚ます。
グイグイと押し付けてられるアルフレッドの熱棒を感じると、ルシエルのそこにも熱が集まってきた。
「んん……っ」
ルシエルから甘い吐息が出ると、アルフレッドがジュッと舌を吸い上げてから唇を離した。
そうして、ルシエルの唇へと親指をそっと這わせた。
「赤く潤んだ唇が、ずっと私を誘っていた」
「なっ!!誘ってなんか……っ。これは、侍女のスージーさん達がっ、なんか、塗ったから」
「……へぇ。他人の目があるところでは、もうさせない。この唇も、髪のツヤも……この甘い匂いもダメだ」
アルフレッドがルシエルの耳元に鼻を近付けた。
「男を誘う匂いだ」
アルフレッドの吐息が首筋に掛かり、ルシエルはピクリと反応する。
「そんなこと言われたって、分からない、もん」
「そうか?」
そう言ったアルフレッドが、ルシエルのそれへと硬くなった自身を押し付ける。
ゆるりと勃ち上がってきたルシエルのモノと、擦り合わせるように腰を動かした。
「は、あっ」
ルシエルは恥ずかしさで顔を逸らす。
何気なく視線をやったその先に、ルシエルはあるものを見つけた。
(あれ?……あれ、は)
その"もの"が何かを理解した時、ルシエルは快感が吹っ飛んで、頭が真っ白になるのを感じた。
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