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8. many years ago
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何年も前、奏汰が5歳の頃のことだ。
その頃から動物に懐かれていた奏汰は、屋敷の中、外関係なく動物と戯れるのが好きだった。そのため、良くも悪くも放任主義の親を持っていた奏汰は天気のいい日、1人で散歩に出かけることがままあった。
ある日、奏汰がいつもと同じように散歩をしていると、一匹の真っ白い毛に碧い瞳を持つ猫に遭遇した。
首には鈴のついた瞳の色と同じ色の首輪がつけてあり、飼い猫だと分かった。
こっにおいで、とその場にしゃがんで両手を広げてみるも、白い猫はその碧の瞳でこちらをジッと見つめるばかり。
今まで手を広げずとも大半の動物はこちらに擦り寄ってきた奏汰にとってそれは初めてのことで、好奇心をくすぐられた。
どうしても触りたくなった奏汰は、立ち上がりその猫に近づいた。
しかし、猫は自身に近づいてくる奏汰とは裏腹にプイとそっぽを向くとチリンと音を鳴らし逃げるように歩き始めた。
それに奏汰がぽかんとしていると、猫は足を止め振り向き、またジッとこちらを見つめてきた。
目をぱちくりさせ奏汰がまた近づくと、猫もまた歩いた。奏汰が止まると猫も止まる。
…着いてこいということだろうか。
何にせよ、その猫に心を惹かれていた奏汰に追いかける以外の選択肢はなかった。
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