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23.
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注文し終えて料理を待ってると、音が再び話し始めた。
「そうそう、生徒会が大規模な親衛隊を持ってる、って言ったけど、それは生徒会がいわゆる人気ランキングみたいなので選ばれてるからなんだ。抱きたい、又は抱かれたいランキングで上位の生徒が強制的に生徒会か風紀委員に指名されるから、必然と親衛隊の規模も大きくなるってわけ。まぁ風紀委員はその性質上、親衛隊は組まれないんだけどね。密かに慕ってる子はいっぱいいるはずだよ。」
「ふうん…」
そんなくだらないランキングで生徒会を決めていいのかとか、まずなんだそのランキングとか、いろいろ言いたいことはあったけれど、面倒臭かったのでやめた。何より、こっちに向かってくるウェイターさんが見えたから。
あれは僕らの料理に違いない。
「お待たせ致しました」
ビンゴ。
それぞれの料理が並べられていく中、ついにチョコレートパフェが僕の前に置かれた。
…はぁぁ…やばい。
一番下に敷き詰められた砕かれたこげ茶色のラングドシャから始まり、その上に絞られた滑らかなチョコ生クリーム、キューブ状の濃厚なガトーショコラ、更にチョコ生クリーム、チョコプリン、重なる2色のチョコアイス、とどめにたっぷりのチョコレートソース。
…もう一度言う、やばい。
「ありがとうございます」
早く食べたい。それしか頭になく、緩みきった頬そのままに運んできたウェイターさんにお礼を言った。
「っ…いえ、ごゆっくりどうぞ」
いざ、エデン…!
と思ったけど、そういえばパスタがあった。食べものに失礼なのでちゃんと食べます。
うん、おいしい。けどダメだ。パフェが食べたすぎる。
2口食べたところで、ビーフストロガノフを頬張っていた音に皿を差し出した。
「んむ?」
「音、あげる」
「んっ……え、ええ…ちゃんと食べなよ…」
「そういえば僕、そんなに食べなかった。パフェで十分」
「食べなさすぎ!体に悪いよ!それに僕もそんなに食べないし!」
「え…っ?」
「そんなに驚いてないでしょ!も〜…」
困った。音が食べないとなると…どうしよう、怜もそんなに食べなさそうだし…あぁ、こうしている間にもチョコアイスが徐々に溶けていってる…うぅ…
「あの、私が食べましょうか」
「「えっ…!?」」
「私、食べられますよ」
「本当?無理しなくていいんだよ…?」
「大丈夫です、残すのは勿体無いでしょう」
「副会長…意外…」
「というか、大体の男子高校生ならこれくらい食べられるかと。貴方がたが食が細いだけですよ」
「はあ…」
まあ、ここまで育ってるし問題ない。
お言葉に甘えてパスタを怜に渡して、僕はパフェに専念することにした。
気を取り直して、天国へ…!
溶けかけのチョコアイスを掬って口に含む。
はぁぁぁ…至福…。最早言葉すら出ない。アイスのなくなった口内を再び満たすため、今度はチョコプリンを掬った…。
「おいしそうに食べるねぇ」
「はあ…尊い」
「え?」
「いえ、何も。そうですね、と」
「ああ、そう………」
パフェに夢中な奏汰を、音も怜も含め食堂中が微笑ましく眺めていたことを本人は知らない。
───────────
あのあと解散して、音と部屋に戻ってきて風呂も入って、あとは寝るだけ。
明日の朝、音に教員室まで案内してもらう約束を取り付けて、お互い部屋に戻った。
地下に温泉があるって言ってたけど、流石に行く気にはなれなかった。部屋のお風呂も十分広かったし。
明日にでも気が向いたら行こうかな…
そーそ…チョコパフェ、おいしかったな…金持ち学校の食堂…流石。
でも久しぶりに佐々木の特製パフェが食べたい…今度連絡しよう…ん、
「ふぁ……」
…眠い。さっさと寝よう。
今日はいろいろあったし、やっぱりいつもより疲れてるみたいだ。
ベッドに寝転ぶとニアも横に乗ってきた。頭を一撫でして、おやすみ と呟いた。
明日から本格的に新生活が始まると思うと既にため息が出そうだったが、なるようになればいいか、と思考をシャットダウンして意識を深く沈み込ませた。
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