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新入りとして。
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猿杙と小見にくれた地図を見ながらアジトを目指す。
一見普通のバー。……だが、本体は地下だ。
カウンターへ座り、マフィアの一員だと思われるマスターに紙を渡す。
【このマフィアに入らせていただきたいです。】
マスターは地下への入り口を顎で指した。
階段を降り、ドアを開けるといかにもマフィアの風貌をした男が立っていた。
「お前、武器を使った経験は?」
「それは少ししか無いのですが……あの、銃の使い方とかはある程度知ってるので、役に立つかと…!」
「ふーーん…ここに入れた時点でほとんどOKだが、ボスの返答で正式に許可される。」
「わかりました!」
さすがマフィア組織、従順な性格で戦闘の知識があると分かればたやすく第一関門は突破だ。
あとはそのボスに会って溶け込められれば完璧だ。
「今話してきた。この部屋にボスがいる。…ま、許してもらえたらいいな。」
赤葦はドアをノックして失礼します。と言い入った。
大きな机を前に椅子に座っていたボスは事前に小見たちに教えてもらった奴だ。
人が猫を被っているのを見破るのがそこそこ上手な奴らしく、注意しなければと気を引き締める。
ここでややこしいことになっては本末転倒なのだから。
ここでは演じきるのだ、人懐こい、従順な赤葦を。
「君、このマフィアに入りたいんだって?」
「はい!」
「そうか。銃の知識があると?」
「はい。その他にナイフなども少々。」
「……」
沈黙に入った。やはりバレたか?コイツらはまさか襲撃した翌日に潜り込まれることも想定していたのか?
赤葦の額から冷や汗が浮き出る。
なるべく無心になるよう努めた。
「…許可しよう。ただし、妙な動きを1つでもしたら命はないと思え。」
「ありがとうございます!」
赤葦はホッと胸を撫で下ろした。
これで色々探れる、そう確信できたのだ。
「お前を見て分かったことがある。結構手練れだろ。」
「いえそう言われるほどでは…なぜそう思ったんですか?」
「そんなニオイがするんだよ。あと勘だ。」
よく漫画でありそうなことを格好つけて言いやがって…と赤葦は内心冷めた目でボスを見た。
「お前はいずれ高い地位につくだろう。だから先に言っておく。…俺はあくまでボスの代理だ。本当のボスは別にいる。」
赤葦は驚愕した。
そんなことは小見たちでも突き止められなかった、初めて聞いたことだったからだ。
「驚くのも無理はない。このことを知っているのは組織内部でもごく一部だからな。」
「あの…それで、本当のボスというのは…?」
「それは明日にしよう。今から話すのは微妙な時間だからな。丁度いいことにこちらの様子を見に来るらしい。そのときにお前のことを紹介しよう。」
「は、はい。わかりました。」
それでは。と一言添えて部屋を出た。
とりあえずは良かった。
それにしてもボスは別にいるってなんなんだ…普通自分の組織を放ったらかしにするなんて、色々リスクが高すぎる。一体なんのために…それが分かるのは明日。それまでになんとしても情報を引き出さねば。
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