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「真白、
兄ちゃんは一旦父さんに会って家に連れ戻すよ。」
「僕一人?」
「うん、
ちょっとの間ね、ちゃんと兄ちゃんは戻ってくるから、それまで待ってて。
でも、警察とか真白が大丈夫って人が通ったら、その人に助けを求めても大丈夫。」
「お兄ちゃん……」
「真白
本当にごめんな。
真白を守ってやれなくて。
これが、兄ちゃんにできる最後のことだから。
じゃあね、真白……」
そう言うと兄は立ち上がり、路地裏を出ようとしました。
兄に言われた通りに、ゴミ箱の横で息をひそめながらいました。
すると、怒鳴り声が聞こえたんです。
「真白をどこへやった!!!!」
「何を言っているの父さん。
僕は何もしてないけど。」
「嘘をつけ!!
じゃあ、さっきまでおぶっていた子は、どこへやったんだ!」
「捨てた」
「何?」
「前々からうっとうしいと思ってたんです。
まるで、僕を正義のヒーローみたいに。
そんなわけ、あるわけないのにね。
ちゃんと戻るって言いましたけど、僕にはそんな気さらさら、ないですよ。
笑えますよね。
さぁ、父さん家に帰ろ。
真白待っているはずだから……」
僕はこの言葉を聞きながら泣いていました。
そして、僕はそのあと降った雨に打たれながら、兄のことこれからのことを、考えていました。
やっぱり、僕はお兄ちゃんにきらわれている。
お兄ちゃんが、助けてくれるわけないもんね。
こんなに、汚いし。
死んだら、ママに会えるね。
でも、ほんのすこし生きたかったな。
こんな僕だけど。
そして、僕はその時話しかけてくれた、時雨さんに助けを求め、拾われました。
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