アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
鈴がくれるもの
-
目が覚めると、体がぽかぽかと温かかった
鈴がくれた『眩しくない、温かいだけの太陽』の効果かもしれない
そして、外が明るいことに驚く。
寝たときはまだ明るくはなかった。ということは10分や15分の眠りではなくてかなり眠ってしまったんだろう
時間を確認しようと起き上がろうとしても、何故か起き上がれない
横を見れば寝ているはずの鈴の力に負けて起き上がれなかったのだと気づく
頭も何だかもやもやする
頭痛とは違うけれど、ぼんやりする感じ
「…ん?」
「ぁ、…起きた」
起こさないように注意していたのに、動いたせいで起きてしまったらしい
「おはよう」
にっこりと優しく笑ったかと思えば、抱きしめられていた腕に力を込められる
なんで鈴は朝目が覚めただけでこんなに幸せそうなんだろう
そういうところは未だに理解できない。
けれど、にこにこ笑う鈴を見ることは嫌いではないし、むしろ好きな方だと思う
「…おは、よ」
なれない挨拶に、緊張しながらも返す
それから鈴にまたもや頭を撫でられ、ふわふわとした気分になる
寝起きは意識がはっきりしなくて、くっつかれても嫌ではないときは抵抗しないし、おいでー。と手を広げられるとそこに顔を埋めてしまう
ぼーっとする頭で見つめていると「もう少し横になってな」と優しい声で言われ、それに頷いた
寝室から出ていった鈴は朝食を作ると言っていた。
…俺もいつかは、手伝えるようになりたい。
いつまでここにいていいのか分からないけれど、鈴にはお世話になってばかりだ
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
170 / 427