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「は……?」
逢坂はぽかんとした表情を浮かべ、少しの間、そのまま固まってしまった。
どうやら、上手く言葉が呑み込めていないらしい。
「…心霊、スポット……?どういうこと…」
数秒後、逢坂の口から押し出されるようにして零れたその言葉に、たちまち罪悪感が膨れていく。
「……っあの、……えっと…」
「どういうことも何も、そのままの意味だよ」
どもる俺に、痺れを切らしたのか、高坂が割り込んでくる。
「ほら、お前らそういうの好きなんだろ?俺も結構興味あってさ。だから、今度三人で行かないかって話になったんだよ」
「え……?そういうのって…」
逢坂が、きょとんとした顔で、俺を見てくる。
…まあ、そうなるよな。
逢坂がオカルトに興味があるなんて、俺のその場凌ぎの嘘でしかないのだから。
「…逢坂……」
ごめん、そんな意図を込めて送った視線が、逢坂のとぶつかる。
「……」
逢坂は無言でそのままこちらを見つめていたかと思うと、ふっと考え込むように視線を下に落とした。
どうしよう、怒らせてしまっただろうか…?
「ーーで、どうする?」
高坂の右手が、逢坂の肩に触れた。
顔を上げた逢坂に、高坂は微かな笑みを浮かべ、口を開く。
「……行くよな、逢坂?」
高坂の押しに、逢坂はすうっと目を細める。
「……行かないって言ったら?」
「わっ…」
逢坂の言葉に、高坂は俺の肩を掴み、自分の元へと引き寄せた。
普段あまり密着することがないせいか、こうやって体が触れ合う距離まで近付けられたことに、少し驚いてしまう。
「…涼太と俺、二人で行くけど?」
「………」
長い間の後ーー逢坂はふっと息を吐き出す。
そして、高坂をじっと見据えた。
「……分かった、行くよ」
「…そうこなくちゃな」
高坂が、俺の体を離し、にやりと笑う。
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