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気になる人②
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「はぁ…」
あの夢のようなパーティーを終えて屋敷に戻ってきたノアは、掃除のモップを手に持ったままため息をついた。
あの夜から、ノアはあの時助けてくれた男性のことが忘れられなかった。
しかしあの方はノアのような者とは決して釣り合わない、高貴なお方だ。
それに…
「あの方はきっと、僕の事なんて覚えてないよね。」
分かっていても彼を何度も思い出す。
きっとこれを恋と呼ぶのだろう。
ノアにとって、これは初恋だった。
決して叶うはずのない恋心に何度もため息が零れ落ちる。
「ノア、手が進んでないじゃない。掃除は終わったの?」
「お姉様…いえ、申し訳ありません。」
ノアは頭を下げると掃除を再開するが、いつもの様に集中出来ない。
いつもならすぐに居なくなる姉は、今日に限ってノアが掃除中の部屋に留まっている。
それも愉快な鼻歌を歌いながら。
「お姉様…何かいい事でもあったのですか?」
怒られるかも、と思いながらも尋ねれば、意外にも上機嫌で
「そうなのよ!」
と、語り始めた。
どうやら誰かに聞いてもらいたかったらしい。
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