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story1~及川side~
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それに気づいたのは今日のような猛暑日だったと思う。
多分中1の秋くらいだったという記憶もある。
僕はいわゆる"ホモ"と言われるような存在だ。あれ?ホモは差別用語だっけ?まあいいや。
「初恋はいつだったかなぁ...」
人通りの多い道の端にある日陰のベンチでアイスをかじる。
先程コンビニで買ったチョコミント味のアイスだ。
今日はこんな暑い日だし、家にいてもしょうがないので図書館に勉強しに来ていた。
夏休みだからといって気を抜いてはいけない。
うちの学校はエリートばっかで、お金持ちばっかで、僕のような普通の家庭の生徒の方が少ない。
コーちゃんもそうだしな...。
努力し続けてギリギリで入れた学校だ。
そんな簡単に成績を下げたくはない。
「んん。美味しい」
口の中に爽やかなミントと甘いチョコが広がって幸せな気持ちになった。
さて、話を戻すと僕の初恋は中1の秋くらいだと思う。
相手は近所の4つ年上の高校生。もちろん男。
とても優しくて、カッコよくて、人気があった人だ。
よく家に通っては勉強を教えて貰っていた。
最初は兄弟愛みたいな物だと思っていたのだけど、だんだん大きくなってく気持ちは恋なんだと気づいた。
結局その人は18で大学に行くために遠くに引越してそれきりになってしまったけど。
とても大切な思い出。
「何してるんだろ」
元気にやっているといいな。
アイスを食べ終わり、棒を近くのゴミ箱に捨てる。
ゴミ回収していないのか今にも溢れ出てきそうだったが。
さてそろそろ行くか。と思い参考書の入ったトートバッグを持ち歩き出す。
そういえば僕の恋はその人だけだったかもしれない。
僕の恋愛対象が男と聞くとコーちゃんだと思うかもしれないがそれは無い。
コーちゃんは恋愛とかじゃなくて、本当に純粋にかけがえのない唯一の幼なじみだ。
大切で大好きな親友。
コーちゃんがどう思ってるかは分からないけどね(笑)
___pururu......♪
歩きだしてすぐにスマホに着信がくる。
母からの電話だった。帰りが言ってたより遅くて心配したのかな。
「はい?」
"あ、瑞稀!何してるの"
「ごめんね。ちょっと集中してていつの間にかって感じ」
"そう。まあいいわ。夕飯作っとくから早く帰ってきなさい?"
「うん。ありがとう母さん。うん。バイバイ」
ツーツーと通話終了の音を聞いてスマホをしまう。
心配をかけてしまったし、少し早く帰ろうと早足で駅に向かった。
その時、視界の端に不意に知っている人が見えたような気がしたのだ。
「?」
そしてあたりをキョロキョロと見回してみる。
すると、少し先にコーちゃんがいた。
「え、黒木先生?何でコーちゃんと...」
2人は何やら深刻そうな顔をして喋っていた。
流石に会話は聞こえないが空気が重いことはわかる。
イケメン2人があんな真剣な顔をして喋っているものだから周りにはすごく見られてるのに...気づいていないのだろうか。
※2018.6.26 訂正しました
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