アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
律兄ちゃんの家 3
-
はぁ、と大きな溜息をついた律兄ちゃんが頭を抱える。
「ふふっ、可笑しいよね?でも、そんなにぶちんな正兄ちゃんだから、愛美さんも不安なんだと思うんだ。」
『いや、お前も充分にぶちんだ。』
ボソボソっと呟いた律兄ちゃんの言葉は僕には聞こえなかった。
「ん?何?」
「いや、わかった。とりあえず俺も今は落ち着いて前ほど忙しくもないし、出来るだけ早く帰るようにするから、雫が居たいだけ居ればいい。」
「うん、ごめんね。」
「謝るな。」
「うん、ありがとう。それから…」
正兄ちゃんには駅の階段から落ちたと話しているから、そうしてほしい。と律兄ちゃんに頼んだ。何故だ、ちゃんと話せと言われたけどこの事で正兄ちゃんと愛美さんがギスギスしたりするのが嫌だから、と言うと渋々だけど分かったと言ってくれた。
本当は、この事で愛美さんからの当たりがキツくなるのを避けたかった。正兄ちゃんにも律兄ちゃんにも嘘をついて、なのに頼るしかない僕はなんて、我儘なんだろうか。
面倒くさがりの律兄ちゃんだけど、とっても優しい。
我儘な僕は当分、愛美さんの圧迫から逃れられる嬉しさと、好きな律兄ちゃんとの生活に嬉しくもあり、恥ずかしくもあった。
「雫、御飯はまだか?」
「あ、うん。」
「待ってろ、簡単に作ってくる。」
そう言って僕の頭をぽんぽんと叩いてキッチンは向かう後ろ姿は逞しく僕の心をドキドキさせた。
このドキドキがこれから頻繁に起きるのを知るのは、すぐ後だけど。
「ほら、口開けろ。」
「ぁ、いや、自分で…」
「いや、無理だろ。」
「で、でも左手で…」
「雫に任せたら寝るのが遅くなる。自分で食うのは明日からだ。」
夜の11時を過ぎた時間、こんな時間に食べたら太る。ってのは女じゃないから気にしないけど、お腹が空いて寝られないのは嫌だからお願いしたけど、こんな恥ずかしい事になるなら我慢すれば良かった。
ご飯だけでも顔から湯気が出そうだったのに、お風呂なんて心臓とまる。そう思って、明日でいいと言ったのに、明日は朝が早いから夜まで入れなくなると無理矢理、引きずられるように入った。
しかも、バッキバキに鍛えられた律兄ちゃんの身体に欲情しそうになった僕は変態だ。
誤魔化す様に下をむいて、頭の中で念仏を唱えまくったのに、それでも、一瞬でも見てしまった、律兄ちゃんの身体が浮かんでくる僕は、やっぱり変態だ。
極めつけには。
「ぼ、ぼく、ソファーで、寝る。」
「バカ言うな。そんな身体でソファーなんかに寝させられるか。だったら、オレがソファーで寝る。」
「ダメだよ。律兄ちゃんも仕事あるんだから身体ちゃんと休めないと!!」
「だったら、一緒に寝ればいい。ダブルベッドだから2人でも、大丈夫だ。雫はちっちゃいからな。」
「一言余計だよ!!」
どうせ、僕は律兄ちゃんからしたら、ちっちゃいよ。
『くそー、せめて、後3cm欲しかった。』
僕の身長は170になる前に止まってしまったのが悔しい。
好きな人と一緒に寝られるわけが無いと思ったけど、今日1日で起こった事が多すぎて疲れたのかベッドに横になってすぐ睡魔が襲ってきた。
『雫、オレが守ってやるからな。』
額の暖かさと何か言われたと思ったけど、それを僕は聞くことはなかった。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
21 / 59