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夢と、現実
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霊安室に横たわる2人。
あ、また、あの夢だ。
でも、今日は違った。
2人には白い布は掛けられてなくて、両親は目を開けていた。
ゆっくりと2人が起き上がり。
『穢らわしい。』
『気持ち悪いわ。』
無表情のまま僕へと向ける言葉に胸を掴まれた様に苦しくなった。
『そんな風に育てた覚えはないわ。』
『お前はオレの息子じゃない。』
尚も僕に向けられる言葉。
『俺達の事、そんな風に見てたのか。』
両親とは違う声に後ろを振り返る。
正兄ちゃんと律兄ちゃんが立っていた。
『気持ち悪い。』
『お前なんかオレの弟じゃない。』
2人も無表情で僕に言葉の弾丸を放つ。
『嘘つき。』
『卑怯者。』
『穢らわしい。』
『気持ち悪い。』
四方からの鳴り止まぬ声、叫びたいのに、喉が張り付いて、息を吐くことすら苦しい。
心臓は、今にも握り潰されそうなのに、痛みだけが強くなって、鼓動を止める事はない。
身体は、震えて引き裂かれそうなのに、形を留めたまま。
泣きたいのに、涙は1粒も出ない。
『お前なんか見たくもない。』
『消えろ』『消えろ』『消えろ』『消えろ』『消えろ』『消えろ』
『消えろ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!』
その瞬間。
パーン!! と弾けた。
「っ!!…かはっ、」
夢から現実に引き戻された僕。
動悸と息切れが凄まじかった。
ベッドには僕だけで律兄ちゃんの姿はなかった。
律兄ちゃんと生活しだして見る事のなかった夢。
でも、今までの夢とは明らかに違って、この夢が現実になるんじゃないかと恐ろしくなった。
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