アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
42
-
家事を終えた僕は書斎で仕事をしている司の元へ向かった。
そして、司はいつも書斎で何しているのか気になった
僕は気づかれないように扉を少しだけ開けて覗いてみる。
見てみれば司は誰かと電話をしていて
結局は中に入れなかったからちょうどいいなと思い、
そのまま黙って扉の前にいることにした。
「今日中に口を割らせろ。」
「自白剤でもなんでも使えばいい。」
「あ?その後?…必要と思うなら始末してもいい。まあ、それはお前の判断に任せる。」
「ああ、それとな…九条と荒井には跡をつけさせろ。」
電話の相手は黒崎組の誰かだと思うけど…
普段、僕が見ている優しい司ではなかったため、
改めて司は、若頭なのだと思い知らされた。
正直怖くてその場を立ち去ろうとした時
いつの間にか電話を終えた司が僕に声をかける。
「佑月、隠れてねーで出てこい。」
「うっ…」
さっきの司の会話から恐怖心が消えない。
怖い。
「何もしねーから。ほら。」
「ぅ…んっ…」
そんな怯えていた佑月を司は手を広げて迎える。
その中に佑月は飛び込み、顔は合わせる事が出来ず
司の肩に顔を押し当てた。
「全部終わったのか?」
「うん…」
「そうか、偉かったな。」
僕の頭をポンポンと撫でる司の手は
とても暖かかく、いつもの司に戻っていて
さっきまで怖かった司はもうそこにはいなかった。
そんな僕は急に恐怖心が一気になくなり、
抱き締める力を更に強くした。
「どうした?」
「ご、ごめんなさっ…でんっわ…聞いちゃった、、」
「ああ、それで?」
「ちょっと…びっくりしちゃって…」
「佑月は俺が怖いか?」
「さっきは怖かった、、けど今は怖くない。」
「そうか」
「うん…」
そんな司は少しだけ微笑んで
僕を抱いたまま立ち上がる。
「じゃあ、佑月がちゃんと出来たか確認だな」
「へっ!?」
「当たり前だろ、出来てないならやり直しだ。」
「うそぉ…」
「なんだ、手でも抜いたか?」
「ちゃ、ちゃんとやったよ!」
「なら、大丈夫なはずだろ?ほら、行くぞ」
それは、司なりに僕がこれ以上
怖がらないようにしてくれたんだなとすぐにわかった。
なんだかんだで、やっぱり司は優しい。
その後、僕のやった家事は無事に全部
出来ていたと思っていたら、最後の最後で
洗濯物が綺麗に畳まれていないと言われ、
やり直しになったのは言うまでもない。
更に、畳み方はキッチリと司に叩き込まれたので
次からは失敗しないだろう。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
42 / 95