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52.〜司side
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男が銃を荒井向けて放った。
それを見た俺は…間に合わないと思った。
だから銃が荒井に到達する前に
自分の身を投げ出した。
幸い、荒井と俺との距離は近い。
「荒井!!!」
そのまま俺は荒井の前まで走り、
荒井に向かっていた銃弾は俺の右の肋を貫いた。
今回はさすがに失敗したな。
油断しちまうなんて…やっぱり俺はまだまだだ。
あー、これまだ動けるのか…
「若!?」
「しっかりしてください!!若!」
「あーくっそ…しく、、じっ…た」
「何やってるんですか!?僕の事なんか庇ったりして!」
「声…でけ、ぇ…よ…」
そのまま俺は肋を抑えながら、達川に次は
銃を打たせないようにトドメを刺しに歩く。
「若!僕がやりますっ!だから座っててください。」
「俺…の判断ミスだ。最後…まで責任は、、とる。」
銃を持った達川の場所まで行き、手を踏みつけ
まずは銃を手から離させる。
向かう途中で打たれるかと思ったが、
幸いさっきの一発で力尽きたようだ。
もう銃を正確に握る力は残っていなかった。
肋を抑えていた手を離し見てみれば
真っ赤に染まった手と俺の服。
「まさか…お前ごときに、、、やられるとは思わ…なかったよ。」
「…ゔっ…はぁ」
もう話す事も出来ない達川を縄で結びつけ、動けないように固定した。
「若!あとは僕がやります。今九条さんが風見さんのところの救急車呼んでるでもう黙っててください。僕らは全員終わらせたんで。」
「ああ…たす、、か…る…」
「若!?若!!」
「九条さん!早くして!!若が!」
「あと5分は来ない。その間に俺が応急処置だけしておく。お前は倒れてる奴ら全員縄で縛っておけ。」
くっそ、段々九条と荒井の声が
遠くなって聞こえてきやがる。
久々の失態だ。
それよりも無事に帰ってこいって佑月に言われたのに
これじゃあ、怒られそうだな。
消えないって約束したばっかりなのに
もう危うくなってどうするんだ俺は…
だが…俺は佑月がいなきゃ仲間を守る事さえも
出来ない男で終わってたかもしれないな。
なぁ、佑月…
少しは若らしいって思ってくれるか?
佑月に早く会いたい。
会って佑月の笑った顔が見たい。
また、色々な場所に連れて行ってやりたい。
会って間もない餓鬼にここまで執着する日が来るなんて。まったく俺らしくないじゃないか。
ああ…そうか。
きっと俺はお前のことが───……
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