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司の表情を見ると何やら怒っているような顔で
今すぐにでも抱きついて安心したかったのに、なぜか僕の足は本能的に足を止め、優さんの服にしがみつく。
そんな行動をとったのがいけなかったのか
司の顔はさらに険悪な顔になっていった。
「佑月、ちげぇだろ?」
その言葉の意味が分からなかった。
違う?何が違うの?僕何か悪いことした?
「わかんなっ…」
そこまで言いかけたとき、ふと僕は思い出す。
「俺がいない時、他の組員とは2人きりになるな?」そう言っていた司の言葉が頭に過ぎる。
あの時、意味がわからなかったけど…もしかして今僕が間違えてるのって…優さんに掴んだこの手?
そう思った佑月はそっと優さんから手を離して
さっきまで優さんより一歩引いた位置からいた佑月は
前に少しずつ進む。
「はぁ…何してる、さっさとこい」
司は佑月のあまりの遅さに限界を感じ
自分から佑月の元へ近づき手首を掴む。
「いたっ…い」
いつもの司なら優しく手を握ってくれるのに
今日は何故か力が入り過ぎているからか痛い。
痛がっている佑月を完全に無視し引っ張りマンションに連れて行こうとする。
「山城、お前は近辺をもう一回見てこい。それでも、何も出てこないようなら本部に戻って九条を手伝ってやれ。あああ、それとなお前の部下もう少し使えるようにしろよ」
「はい、わかりました。申し訳ありません」
優さんに指示を出した司は再び僕を引っ張り
黙々と家に連れて行く。
どうしてこんなに怒ってるの?
今までここまで怒っていた事はなかった。
何が悪かったのか…わからない…
怒った司があまりに怖く佑月抵抗する事なく
引っ張られるままになっていた。
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