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プロローグ2 後輩・真田伊吹
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【緑】
(なんだ……?)
思わず目を擦り伊吹をじっと見つめる。
するとまた……聞こえてきたのだ。
【伊吹】
「(あ、先輩こっち見てる……!)」
「(うっわ~…僕変な顔してないかな)」
状況を整理しよう。
①なんか伊吹そっくりな声が聞こえてきた。
②伊吹を見つめた。
③声が聞こえてきた。それも行動を把握したような……。
これは俗に言う……心の声ってやつ……!?
まじか……マダム、誰が愛しているのか自分で知れって言ってたけど、
知る(物理)かよ!!
【伊吹】
「(あれ、先輩……僕のことめっちゃ見てない!?)」
うわ、ヤベ。
思わず顔を伏せた。
というか仕事なんだからちゃんと注文受けないと……。
……というか。
もしこれが心の声だったとしたら、
お客様の注文を受けた時に何かと有利なのでは?
試す価値はあるな。
「あの~、サイドメニューのサンドイッチ下さい」
偶然にも目の前に座っていたお客様がそう告げる。
【緑】
「はい、かしこまりました」
心の声を聞くことに集中する。
するとそのお客様そっくりな声がまた耳を伝った。
「(ここのサンドイッチ。旨いけどレタス足りねぇんだよな~…)」
【緑】
(………)
厨房に入り、サイドメニュー担当の同期に話しかける。
【緑】
「サンドイッチ1つ頼む……レタス多めで」
「なんだ、要望入りって珍しいな」
【緑】
「ああ、とりあえず……よろしく」
そして出来上がったサンドイッチを持っていくと、
お客様は美味しそうにそれを口に次々と運ぶ。
今まで見たことがない気持ちいい食いっぷり。
「(ラッキー!今日はレタス多めか~!!)」
やっぱり。
これで確定した。
俺は心の声が聞こえるようになったんだ。
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