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プロローグ2 幼馴染み・麻生凌馬
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どちらかというと嫉妬に近い。
26年間一緒にいた人に、俺以上の人ができるなんて、そんなの。
ただでさえ他の人と仲良くしてるとモヤモヤするのに。
ちょっと……抑えきれなくなるかも。
【凌馬】
「緑はすぐ顔に出るよなー…。
フるつもりなのに」
【緑】
「え、付き合うんじゃないんだ」
【凌馬】
「そもそもそいつのこと好きじゃないしな。
けどさ、勇気が出ないわけよ」
あ、ちょっと安心した。
って、こんなこと思う俺……告白してきた人から見れば最低だな。
【緑】
「勇気が出ない理由があるの?」
【凌馬】
「ああ、告白してきた同期……実は男なんだ」
え、えーーー!!?
思わず目を見開く。
なんて絶妙なタイミングなんだ……俺もじゃんか……。
【凌馬】
「驚くよな……仲良かったやつがいきなり豹変してさ。
フったらなんか……関係が変わりそうで」
しかも状況まで同じだとは……。
凌馬ごめん、今悩み中の俺にアドバイスすることなんて何にもない……。
まてよ、これは俺打ち解けあえる相手が増えたのでは?
目の前にも同じ状況の人がいるだけでも違うと聞いたことがある。
【緑】
「……なんかわかる、それ」
【凌馬】
「え……それってまさか……」
【緑】
「俺も告られた……男に」
暫くの、沈黙。
先に口を割ったのは凌馬だった。
【凌馬】
「……は、え………まじで??まじで言ってんの???」
【緑】
「……うん」
【凌馬】
「……誰?」
やっぱりその反応になるのか……さすが幼馴染みなだけあってシンクロする。
俺はぽろっと自然に口から言葉が出ていた。
【緑】
「後輩と……あと告白されてないけど俺のことが好きって分かる人がいる」
【凌馬】
「………」
凌馬はいきなり肩を掴みそのまま抱きつく。
わざとらしいすすり泣く声。
俺は笑いを堪えるのに必死だった。
【凌馬】
「………ぐすっ、初めて告白されたのが男って……俺たちさすがは幼馴染みだな!!!」
【緑】
「りょうまー!俺どうすればいいんだよー!!」
【凌馬】
「俺だってわかんねーよ!教えてほしい!!!」
これが26歳、幼馴染みの二人の姿です。
抱き合って悩みをぶちまける実にも憐れな二人に神様……慈悲を。
【緑】
「俺キスまでされたからフるにもフれない!
意識してるし好きになりそうで怖い!」
【凌馬】
「まじか!俺は壁ドンだった!
なんかどきどきしたし俺ゲイかも!」
【緑】
「凌馬フるんじゃなかったの!?」
【凌馬】
「緑と話してると気が変わりそうで怖い!」
……いつの間にかさっきまで飲んでいたコーヒーも冷めていた。
悩みをぶちまけた後どっと疲れが身体を襲い、
凌馬の肩にもたれかかる。
【緑】
「なんだかんだ言って凌馬が一番落ち着く……」
【凌馬】
「おいおい、そのまま寝そうだぞ??」
【緑】
「……6時になったら起こして」
【凌馬】
「お仕事お疲れだなぁ……ゲーム機借りるぞ」
大人体温。
凌馬は人よりも体温が高いから温かい、リラックスできる。
昔からもたれかかるといつも寝ていた。
ヤバイ。意識が遠のきそう。
やっぱり凌馬は格別だ。
今なら、幸せな夢が見れそうな気がした。
……凌馬が男の人に告白されるなんてちょっと意外だった。
……まあ、俺も、なんだけど……。
……ああ、めちゃくちゃ眠い───……。
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