アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
.
-
玖音は気に入らないのかムッとしてたけど、俺はそういう完璧そうに見えて実は抜けてる姿を見れるのが嬉しかった。
二人で家にいると飾ってない気の抜き方してくれるから、信用されてるのかな…なんて。
「絶対今日中に覚える」
やる気に火が付いたのかそう言ってぐっと立ち上がって直滑降で滑っていってしまった。
絶対意図してない直滑降だったから慌ててる後ろ姿を見て俺は腹抱えて笑った。
一通り笑った後でライトさんとの会話を思い出す。
『なんにも興味ないです、どーでもいいですみたいな顔してたから』
『和くんといるようになってからいろんな顔するようになったからよかったなって思うよ』
出会った時の謎めいたレオンさんも好きだったけど、
今の方がずっと好き。
素直ではっきり言うところ、意地悪だけど優しいところ、負けず嫌いなところ。
きっとこの先色んな面を知ってもっと好きになってしまう。
(…本人には言わないけど)
雪まみれになってる愛しい人を見つめて心の中に閉まっておいた。
軽く滑って下に降りて玖音の元に降り立つ。
「玖音滑れたじゃん、すごい」
「滑れたって言えるのこれ…」
「うんうん、偉い偉い」
「…子供扱いしてるよね」
いつもやられてるみたいに頭を撫でると不服そうに見上げられる。
たまには俺がこういうのだっていいよな?
調子に乗って撫でてるとじっと何かを考えて周りをキョロキョロしだした。
…??
視線がどこかでぴたっと止まって俺と目が合うと口角が上がった。
意地悪する時の顔に思わず手が止まってしまった。
「見てな」
「!」
ふっと見せた男っぽい顔と声。
言葉を失っていると手を引かれて真っ直ぐ歩いていく。
その先にいたのは、こっちを見てたスノボしてた同じ位の年の女の人達だった。
え…
「すみません。さっき見てたんですけどお上手ですね」
「えっ、そんなことないですよ!」
「僕初心者で…よかったら教えて頂けますか?」
困ったような顔をしてキラキラしたものを振りまいて顔を覗き込む仕草をされれば悪い気はしない。
女の人達の目が輝いて「私たちでよければ〜!」って盛り上がってた。
…まじか
変にやる気をつけさせてしまったおかげで二人の時間を自らなくしてしまった…
一回決めたら辞めないからきっと満足行くまで滑るんだろうな…
そういうとこ嫌いじゃないけど、二人で居たかったなあ…
苦笑いして、まあ確かに上手かったし俺も教えてもらえる機会だから素直に受け入れようと「よろしくお願いします」って頭を下げた。
「おいくつですか?わたしたち16です」
「そしたら一つ下かな。俺らは…高校二年生だから」
玖音一つ上だったの思い出してちょっと言葉に詰まったけどそう返す。
年下か…すげえな、飛んでターンしてたぞこの子達。
軽くお互い自己紹介してなんか合コンみたいな(行ったことないけど)雰囲気になって
玖音のが初心者だから三人いた女の子のうち二人についてもらって、俺は小柄で元気の良さそうな女の子とマンツーマンになった。
「和くんって、可愛い名前ですね!」
「はは、女みたいだよね」
「いえ!癒し系みたいでいいと思います!」
「ありがとう、えっと…雪乃ちゃん」
「はいっ!」
俺についてくれたJKの雪乃ちゃんはすげえ話しやすくていい子だった。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
172 / 265