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家族
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陽の光で目が覚める。目を擦りながら平野さんを探すと、
「麗くんおはよう」、とすぐ隣から声がする。ベットに横たわってはいるが、声からして既に起きていたであろう平野さん。
目が覚めてすぐ近くに平野さんが居る事が信じられないくらいに、嬉しくて嬉しくてどうしようもない。
固まる僕に、「ん?」と軽く首を傾げながら僕の頬に手を当てそのままキスをしてくれるのは紛れもない平野さんで。
「あ、あのっ…」
「どうしたの?」
「お、おはようございます!」思ったよりはっきりと出た僕の声は部屋に静かに消えていく。
「おはよう麗くん」平野さんが笑みを浮かべてから僕に二度目の朝の挨拶をしてくれた。
幸せすぎて、どうしようもない。平野さんのもっと近くに寄りたいと思ってしまう。触れて欲しいと思う。昨日までならば、ただ願うだけだったのだが、恋人、になったのだから、僕から触れても良いのだろうか?
平野さん嫌な気持ちにならないかな、汚いと思わない、かな…
チラリと平野さんの顔を見る。
「麗くん?」上半身をベットから起こした平野さんが僕と目を合わせる。
「平野さんにさ、触っても良いですか…」
「勿論だよ、おいで」
平野さんが僕に向けて手を広げる。
僕は平野さんの胸に飛び込むようにして、抱きついた。
互いに無言。部屋には時計の秒針の音だけが響く。
「幸せだな~」
平野さんがポツリと言う。僕はその言葉に激しく同意するように、平野さんをきつく抱き締める。
昨日までの僕が、こんな事になるなんて予想ができたであろうか。
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