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まわる
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そんなこんなで、始まったテスト初日
月曜日。
なんとかいい感じに解答欄を埋めて、胸を撫で下ろす。
先生「はーい、今日はこれで終わりー、後ろから集めてー!」
ザワザワ
できたとかできないとか、合ってるとか間違えたとか、テスト終わりのお決まりのセリフ。
「夕祐君、全部書けてたね」
この子は、僕の前の席の杉並夏美(すぎなみなつみ)クラスの人気者で明るくて人懐っこい。
後ろから回した解答用紙を見て、ニコニコしている。
「図書室で、有馬先輩に教えてもらってたもんね。今回のかなり自信あるんじゃない?」
「見てたの?」
「あーん、目に入っちゃうよぉー!有馬先輩だよ!羨ましい」
両手を前で組み身悶えする夏美に、夕祐は目を丸くした。
「え?夏美ちゃん有馬先輩狙い?」
「え?うん、そうね、生徒会役員の中では一番かな?」
「生徒会役員の中?」
「あっ、夕祐君高等部からだから知らないのか。うちの学校ファンクラブあるんだよ」
「え!!」
初耳、ファンクラブ?生徒会に?
夕祐の驚きをよそに、夏美はうっとりとして続ける
「1番人気はダントツで
生徒会長、城崎様、
3年生2番人気はもちろん
副会長、天野先輩、
3番は、書記の滝先輩!
2年生1番人気は会長の弟、城崎先輩
次が2年の水森さんで、
その次が2年の有馬先輩。
後ね、特別枠にマキ先輩」
「と、特別枠?」
「あっ、それも知らない?
マキ先輩ゲイだから」
え?
「知らなかった?」
夏美の大きくてキラキラした瞳が夕祐を覗き込む。
ええ!?
『マキには気をつけて、絶対二人になったらダメだよ』
『人のもんに手ぇ出したんだから、当然でしょう?』
戀兎とマキの台詞が脳裏を走った!
「おい!夕祐!!」
骨に響くような声に、ブッとんだ意識が呼び戻された!
「あっ、檜山君」
目の前におなじみ檜山の怖い顔と、耳を塞いで眉を寄せた夏美の姿があった。
「ひーのーやーまー、うるさーい」
「こいつは、これくらいでいいんだ」
「か弱い私もいるんですけどー」
口を尖らせてブーブー言う夏美をひと睨みして「どこ?」なんて言うもんだから夏美が夕祐に泣きつく、その夕祐を夏美から奪うように檜山が腕を引いて教室から出て行った。
「どこいくの?」
「昼飯」
ああ、と納得しながら、ズルズル引きしずられ、檜山君のお姉さんは毎日凄いなぁーって表面上では考えたが、さっきの夏美言った言葉がグルグルする夕祐。
マキ先輩がゲイ!?
いや、すでに知っている事実を言われただけのはず。だって、彼は男の子とシていた、声だけだったけど、確かに名前も、マキって言っていた。ちょっと考えれば可能性としてないわけじゃない、でも、…
明らかな邪険の態度を、戀兎はマキに示している。それに、戀兎、ホモなんてって言ってた。二人が付き合ってる可能性より、戀兎の言葉を拾うと、マキが戀兎にちょっかいかけてる…と考えるのが自然?
僕の前から消えた時、知り合ってはいないはずだから、それとは別問題?
そんなこんなでまた百面相する夕祐にため息を漏らす檜山であった。
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