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特に決められたわけではないが、毎週土曜の夜に必ずお邪魔しているお世辞にも綺麗とは言い難いアパートの一室。
喫煙所と化しているベランダで煙草をふかしながら、烏養繋心は見慣れた景色をぼんやりと眺めていた。
部屋の中では、恋人である武田一鉄がいそいそと食事の支度をしている。
ほわほわと漂う美味そうな匂い。
(肉じゃが…かな?)
煙草の火を消して部屋に戻る烏養に、武田は味噌汁をかき回す手を一旦止めてにっこりと微笑んだ。
「お腹空いたでしょう?もう少しですから待っててくださいね」
武田の手際の良さは日頃料理を全くしない烏養が見てもわかる。
勿論、味も申し分なく美味いのだ。
土曜とはいえ、教師のやる事はたくさんあるらしく、学校でだけでは間に合わなかった仕事を持ち帰る事もしばしばな武田が、こうして自分の為に手料理を振舞ってくれていると思うと愛おしさが込み上げてくる。
それに、成人男性にしては少し小柄な武田がキッチンをちょこまかと動き回る姿は、何故か小学校の頃の給食当番を思い起こさせ、可愛らしくてたまらない。
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