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登山からの飯盒炊爨-2
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俺は現在、非常に不機嫌極まりない表情で山登りの列に紛れている。
昨夜の事で精神的に疲れてフラフラになりながらも、皆から遅れをとらないように、必死に付いていってるのだから、たとえ不機嫌でも文句は言わないで欲しい。
3組の最後尾を俺の班を巻き込んで登っているのだが、今のところ誰からのお咎めもなく穏やかに過ぎている。
「なあ佐藤。今日は一段と目の下のクマが濃いんだけど。なんかあったのか?」
心配気に伺ってくる朝丘に感謝をしつつ、俺たちの後ろ……つまり4組の最前列を颯爽と歩いている百瀬をギロッと睨みつけた。すると「あうっ」と変な声を出して整った顔を桃色に染めやがった。
「……どうしようもない駄犬に睡眠を妨害されたんだ」
朝丘は頭にハテナを浮かべているようだが、実家の犬とスカイプでもしたのか?とほのぼのした答えが返って来たので少し癒された。逆に百瀬には余計にムカついている。
「まあクソみたいなやつでさ、躾が足りねえから、今度きつくお仕置きしなきゃなんねぇんだよな」
俺が言うと同時に「んんっ」とくぐもった声が百瀬の方から聞こえて来たのでもう一度振り向くと、前傾姿勢で苦しそうに歩いていた。
脱いだジャージを腰に巻いているので、かろうじてバレはしないだろう。
ーーまたおっ勃てやがったのかよ……。
すぐに勃たないように、マジで調教する必要があるな。けど俺に出来るか自信がない。
俺の手には負えねえなと情けない顔で歩いていると、朝倉が「腕かしてみ」と言いながら俺の脇の下に身体を入れて支えてくれた。
後ろから百瀬の「なっ!」と言うヘンテコな抗議が聞こえて来たが知ったこっちゃない。俺はここ最近の百瀬の節操のなさに腹を立てていたので、これみよがしに朝丘にもたれて身体をくっつけながら歩いてやった。
朝丘が「いつでも頼ってくれよな」とにこやかに声をかけてくれた時、再び後方から「えぇっ!」と不満げな声があがったが、百瀬のものではなく今度は神崎のようだ。何故神崎が不満がるのかは疑問だが、秀才の考える事なんて所詮凡才の俺には理解できないだろうと思い、無視をしておいた。
支えてくれる方は歩きにくそうで、一瞬申し訳ない気もしたが、朝丘は嫌な顔一つせずノリノリで助けてくれるので、大人しく甘える事にする。
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