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《君の声で僕を呼んで》6
「あの…君たちも種馬なの?」
話しかけたのは俺。
微は少し人見知りだったから俺の後ろに隠れて様子を伺っていた。
「ふふっ…この部屋にいてそんな事聞くの?
そうだよ。初々しくて反応が可愛いね」
「此舞、そいつら誰?」
その頃からお色気ムンムンだった此舞と、今と少し違って警戒心の強い行人。
漫画だったら がるる みたいな効果音がつきそうなくらい警戒心が強かった。
此舞の余裕そうな顔は今でも鮮明に覚えてる。
ふふって笑う此舞はイケメンって感じではなく美人だった。
「初々しいって…えっと此舞さん?だってそんなに変わらないじゃないですか」
余裕そうな此舞の顔に見下されている気がしてムスッとしながら此舞に訪ねた。
「穂積 此舞、16歳だよ。
3年前から種馬だから慣れだよ慣れ。
そこのハリネズミみたいなのが行人、行人も今15で3年前から種馬だよ。
ほら行人、この子達は悪い人じゃないみたいだよ。」
「ふーん…………まぁ此舞がいうなら……
俺相澤 行人!15歳で3年前から種馬だから色んなこと教えられると思うよ!」
にぱっと笑う行人は施設では珍しく年相応な顔をしていて、元気でハリネズミっていうより犬みたいだった。
ぶんぶん尻尾をふりながら「俺ね俺ね!」と話す行人は俺から見ても可愛くて、微笑ましかった。
「そうなんだ…俺らまだ1年目で……
空って言うんだ。13歳。
後ろにいるのが微だよ 微は14歳」
「あの…えっと…微です……ぅう……」
「かすかとそらな!よろしくっ あと1人種馬の奴がいるから、来たら紹介してあげる!
ていうか、なんで俺らに話しかけてきたの?」
びくびくしながらたどたどしい挨拶をした微にも行人は笑って接してくれて。
にぱっと笑うと八重歯が見えるのをこの時知った。
「あのね…その……鬼退治…したいなって思うんだ
ユキちゃんとシマちゃんはこの施設の事どう思ってる…?」
「鬼退治って事は鬼人を倒したいってこと?
僕らもこの施設についてはおかしいと思ってるよ。
でも流石に鬼人を倒すって言うのは難しいんじゃないかな〜僕らそんなに強くないし。」
「そっか…そうだよね……」
(あ、ちゃん呼びにはつっこまないのか…。
まァでも…そりゃそうだよなァ〜)
しょんぼりしてる微の頭を撫でる此舞はお兄ちゃんみたいだった。
俺というと そりゃそうだよなァ〜 なんて考えてた。
「それなら、倒すんじゃなくて逃げたらいいんじゃない?それなら俺たちだってできるでしょ!!
種馬で扱いは他よりいいし、もう1人の奴が来たら話してみようぜ!」
「いいねそれ!うんっ!ありがとうユキちゃん!」
「まァそれなら僕らでもできそうだね。」
そんな事を話しながら零が来るのを待った。
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