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15時
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「で、今日は何の用?」
「え、遊びに来ました」
日曜日の朝7時、米崎家を訪問。
なんで、って。暇だから。俺には兄弟もいないし両親は共働きで夜までいない。
友達ー……は、まあそんな休みの日まで一緒にいようって程には仲良くない、と思っている。
向こうがどう思ってんのかはしらないけど。
所謂、俺はなんとなーく物事に関して冷め型なのだ。
「高校生なら友達と花見でもするだろうに。」
ふう、と息をついて苦笑しつつも入れてくれる米崎さんは優しい。その優しさにはついつい甘えてしまう。友達といるより、こっちの方が居心地は良いんだ、実は。なんて、らしくないことぼーっと考える。
米崎さんは一人暮らしの大学生。
だからこんなに家に勝手にあがれるし、遊んでくれる。
「米崎さんは今日は出かけるんですか?」
部屋にいつものように(勝手に)ちょこんと座る。
米崎さんは少し黙り込んで
「15時にはちょっと行ってくるけどそれ以外ならなんも予定ないかな」
と口にした。
……あ、今少し悲しそうな顔した。
人の喜怒哀楽は割とわかりやすい。人の顔に大体書いてある。少し見れば、大体表情は読み取れる、と思う。
米崎さんは、どこか儚げで、笑っているようで笑ってないような。けど、それを悟られないように、必死に自分の領域に立ち入らせないようなそんな雰囲気を感じる。
15時、どこ行くんだろう。
まあ関係ないけど…。
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