アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
きもち
-
結局、米崎さんが泣いてた理由は聞けなかったけど、まあそれでもいいかな、って思うようになった。きっと、今は言えないんだろう。
相変わらず、俺は米崎さんの家に遊びに来てる。
………けど、
なんでか……………、
「あれ、桐谷くんどうしたの。」
と、言われるほど、緊張してる。
なんだか、あの、事件の日から、おかしい。
熱があんのかな?とも思うけど、ない。
けど、なんか米崎さん見ると、あの大きな手を思い出す。優しく撫でてくれたあの日。
……………なんだろうこの気持ち。
え、さては……病気………?
ぶるっと震えた。
「米崎さんは、あの、……彼女とかいないんですか」
自分でも何聞いてんだ、と激しく頭痛がする。
「…んー……。いない、けど。」
結構時間かかったけどそう言った米崎さん。
なんだその時間。なんなんだ………?
け、けど彼女はいないんだよな。
こんなにモテそうなのに………。
「そ、ですか」
それだけ言って米崎さんの家に寝そべった。
米崎さんの家は、自分の家より居心地がいい。あたたかみのある、家。多分、家の素材とかじゃなくて(同じマンションで同じ作りだし)、米崎さんがいるからなんだろうなぁ…。
………って、なんでそんな甘いこと言ってんだ、俺らしくないとブンブンと首を振る。
「ははっ……何百面相してんの、桐谷くん」
米崎さんが、笑っている。
…あの、米崎さんが。
いつも、切なそうに笑う米崎さん。
「…今日は、笑うんです、ね」
ボソっといったつもりなのに、その声はクリアに米崎さんに聞こえたようで、米崎さんは、ハッとしたように、
「………ああ、…たまには、ね」
とまた切なそうな表情に戻った。
何が彼にそうさせるんだろう、と疑問を持った。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
9 / 48