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楽しみ
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「おかえり、湖太郎。これ、2枚あげるから彼女?か彼氏?どっちでもいいけど行きなさい」
帰ったら久しぶりに母さんがいた。黒髪のストレートロングに華奢な体型、もうピ----歳とは思えないような整った顔。なんで母さん似じゃないんだろう、とつくづく思う。
まあそんなことは今は良くて。彼女か彼氏、というくらいには俺にどっちがいても受け入れるんだろう。恵まれた環境というかなんというか。
差し出されたのは美術館のチケットだった。
「え、いいの。ありがとう」
わりと美術館は好きだから、嬉しかった。けど2人って誰といこう…。友達と行くようなもんでもないし、凛子…は体動かす方が好きだって前に誘ったら振られたし、雛川…ああ、最近凛子がうるさいから雛川がいきなり浮かんだじゃん。もうやめいや……。雛川は、論外。
「で、俺と行くと」
米崎さん。
微笑んでいるような、困っているような、表情の掴めない顔だった。
「え…駄目ですか」
しゅん、とわかりやすいように反応したら、ふぅ、と息をついて
「いーよ」
なんて少し微笑んでくれた。
最近米崎さんの周りにパタパタ鳥が飛んでいるように見えるのは気のせい。光が射してるように見えるのも、気のせい。
今週の日曜日、楽しみだなぁ…。
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