アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
(97)
-
そしてまた2週間が経った
月日は流れ、もう7月になろうとしている
ジメジメとした梅雨もとうに終わり、カラッとした暑さがまた僕らを襲っていた
今日は、僕の復学の日
肋の骨もなんとか完全にくっついて、たくさんのアザも薄くなってきていた
前までは毎日毎日殴られたり蹴られたりしていたから治る前にまた新しい傷ができての繰り返しだった
だから自分の体が綺麗になっていくのが最初は不思議でしょうがなかった
いきなりフルで授業に出るのもしんどいだろう、ということで、しばらくは体を慣らしていくために保健室登校でもいいそうだ
僕は全然元気だけど、その言葉に甘えて今日は午前中保健室でプリントをして、午後は律に校内を案内することになっている
今までは部屋でゆったりと仲を深めていっていたけど、2人で外に出るのは初めてだから楽しみでもあるけど不安でもある
学校の人達に、僕と一緒に居る律はどう見られるんだろう、僕のことはいいけど律の悪口なんて言われたらどうしよう、とか
心配なことは全部律に話した
僕は本当に嫌われ者だから、コソコソと噂話をされたりたまに嫌がらせをされたりもする
僕と一緒に居たら律までそんな目にあうかもしれない
僕がそう伝えると、律は僕の額に軽い打撃を与えた
所謂デコピンだ
「ばーか、そんなの全然大丈夫だよ
だって空がいるもん」
律はそう言って朗らかに笑った
律の言葉はいつだってド直球で、ストレートに僕の内側まで届いてくる
律の笑顔は安心するけど、何故だか心臓が痛くなる
律は僕に初めてのことばかりを運んできて、困惑させる
でもそれは、嫌な戸惑いとかじゃなくて新鮮で、胸がジンと暖かくなるものだった
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
98 / 239