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「なんか…夢見てるみたいだな…」
隣には浴衣を着ていつもよりかっこよくなった律が居て、夏祭りを一緒に楽しんで、更には花火を一緒に見るなんて
これも全部、僕が寮に入れるようにしてくれた海のおかげなんだ
そう思うと、やっぱり僕は無力なんだ、ということが分かってしまう
「今は、こんなこと考えないようにしよう…」
今日くらい、僕自身を考えよう
律が言ってくれたように、僕は僕のために生きてるんだ
そんなことを考えていると後ろから肩を叩かれた
「律、はやかっ…た」
ね、と声には出なかった
肩を叩いたのは律ではなくて、2人の柄の悪そうなお兄さん達だったから
お兄さん達は強引に僕の両隣に座ってきた
「おねーさん誰か待ってんの?綺麗だねー」
「花火もうすぐ始まっちゃうけど、待ち人さんは?」
そして太ももとか腰を撫でながらそんなことを聞かれる
そういえば、そろそろ帰ってきてもおかしくないはずだ
この人達、僕のこと女の人だと思ってるんだ
確かに髪は長いけど、浴衣は男物だし…とりあえず早く教えた方がいいか
「あの、僕、男ですよ」
「え?まじで?」
「は?この顔でついてんの?」
頭の先からつま先まで確認するように見られて、居心地が悪くなる
とりあえず体を撫でる手を止めて欲しい、男だって言ってんだから
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