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「律、何組だった?」
「S、空はBだよね
やっぱ離れちゃったか」
「まあ、分かってたことだけどね
まだ近いだけ嬉しいよ」
ついに1週間後、新学期が始まろうとしている
毎年1週間前には寮の入口と校舎の下足エリア付近にクラス表が張り出される仕組みで、僕達はSとB見事に離れたわけだった
寮の部屋は3年間一応変わらない決まりになっているが、僕は明日この部屋を出ることになっていた
「あー、空とここで過ごせるのも今日でおしまいか
隣だって分かっててもやっぱり寂しいね」
「…うん
海のこと、大切にしてあげてね
優しく丁寧に、本当に頼んだからね」
「分かった分かった、もう何十回も聞いたよ」
「ご飯、作ろっか」
その日最後に2人でキッチンに立って作った料理は至って普通のオムライスだった
それでも律は美味しいと言いながら食べてくれて、これから海と暮らすことになるからと色んな料理のレシピを一生懸命聞いてきた
複雑だったけど、律が僕の作り方で作るんだと思ったら嬉しくて、僕も一生懸命丁寧に教えた
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