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(168) 伊藤優視点
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「あー、コーヒー美味しい」
昼休み、中庭の方から元気な生徒の声が聞こえる
桜の木も見えるし、この保健室の立地は最高だった
いい風も入ってくるし
ふと、保健室の固定電話が鳴った
「はい、こちら保健室、養護教諭の伊藤です」
『中庭に座り込んで吐いてる生徒がいるんです』
「えっ…?」
通話はそこで一方的に切られた
保健室に連絡を入れる時はクラス学年名前を言ってからと言ってるのに、未だにそれを守らない生徒は多い
とにかく、目の前の病人を助けることが自分の第一だと、白衣を羽織って保健室を飛び出した
中庭は近いし、病人が居るであろう周りに野次馬が出来ていたのですぐに見つかった
「関係ない生徒はそこから離れて、もし前後の事情知ってる人がいたら残って」
それだけ言って人をかき分けて中心部に進むと、見覚えのある姿が蹲っていた
「えっ…そ、そらくん!」
思わず駆け寄って、持ってきたタオルで口元を軽く拭いた
息はしてるけど高熱で意識が朦朧としているようだった
1人じゃ処理できないと判断してすぐに高見先生に連絡を入れ、嘔吐物の処理を任せて空くんを保健室に連れていった
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