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運命-サダメ-3
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零「それは友達関係?」
西井先輩の方を見上げる。
友達関係…か。
遥「全部」
零「?」
遥「全部に置いてですよ…人との関わり全てにおいての…いやまぁこの間,優先輩にたいしてそこそこすごいこと約束しましたけど」
あの時点でもう本気になってたのかな…。
ということはもっと前から本気になってたということになるよね。いつからだろ…。
優「あの時は嬉しかったよ。改めて君は強いんだと思った」
強い…か。
何を基準にしてそう判断してるのかは分からないけど1つ言えることは…
遥「僕は強くはないですよ…。周りはそう判断してますが僕は弱いですよ。
周りとの関わりに本気にならないようにしたりしてるのも自分が傷つかないため。
死ぬことを誰にも言ってないのも自分のため。
病気のこと,死ぬことを理由に僕はたくさんの人との関わりを遮断した。みんなが思ってるほど僕は天然でもなければ鈍感でもないんですよ。
人からの好意も悪意も敏感に感じ取れる」
だからずっと知っていた。
タカくんのことも要のことも…。
遥「後輩くんたちとの出会いは偶然で,告白も断ることなんて何も感じなかった。けど初めは友達として出会って関係を築き上げてきたあの2人は違う。
ずるいことをしました。
あの2人の気持ちに気づいていないふりをして悩み事とかを相談したんです。
そのあと"こういうこと相談できるのは君だけだよ…君と友達で良かった。また相談のってね"て言ったんです」
秋「それは…またずるいねぇ。遥のしたことは人の感情を潰す行為だよ~?自覚ありでそんなこと普通ならしないからね」
まさにド正論。
どんなに思いを寄せられても僕は答えない。
気づいたんだ。イクへの感情の答えを…。人からの恋情を向けられてから。
これは恋ではなかった。
友達以上の感情だったけどこれは決して恋情じゃあない。
遥「僕はずるい人間ですから。弱いから人から向けられる気持ちに答えられない。…案外僕って弱いんです」
誠「別にいいんじゃね?人からの恋情を軽くあしらったりもて遊んだりするやつよりお前の方が俺はよっぽどいいけどな…。まぁ弱いのかもしれねぇけど人は弱いもんだろ…全てにおいて完璧人間なんざ存在しやぁしねぇよ」
優「確かにね…我らが王子様も完璧人間じゃないからね。僕にとっては光なんだよ君は」
遥「でも僕は死にますよ」
感情のない声が響いた。
自分でも驚くほどつめたい声が。
優「うん,だから僕は君を死なせたくなくなっちゃった」
いつもの笑顔で小さな子供のような喋り方で死なせたくなくなった…そう言ったんだ。
遥「相変わらず胡散臭い笑顔ですね」
秋「ぷっ…確かに胡散臭いよね~同感だよ~」
思い切り話がそれだけどそろそろ僕の質問に答えてほしい。
遥「で,何しに来たんですか」
上にいる清水先輩を見る。
僕の視線に気づいた先輩はあの不敵な笑みを浮かべた。それはどこか優しく感じた。
秋「君を甘やかし来た」
……………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………は?
一瞬頭が真っ白になった。
思考が停止してしまった。甘やかしに?僕を?
なんのために?わざわざ仕事をほっぽいてまで?しかも4人で?
こういうのを一言で言っちゃうと意味がわからない。
本気にならないと決めていた。
けれど人は弱いもの。いくら決めようとも自身の気づかないところで気を許している。
猫は気がついた。
自分が一人ぼっちではなくなってしまったことに。そして焦った。
死ぬ時にやってくる可能性がある恐怖に……。
一人ぼっちでないと怖くなる。死にたくなくなるんじゃないか。
傷つき迷う猫の答えはどこにあるのだろうか。
黒真珠に誓った。黒猫の1つの願い。大切な思い。それが分かるのはまだ先のこと……。
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