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恋する気持ち
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アナタを見ていると、いつもドキドキする。
俺の大事な人。
暗くなりがちな俺の世界に光をくれる。
どうしたらずっと側に居られる?...考えても答えは出ない。
自宅のソファーに座ってテレビを見ていると、不意に知ってる顔が出てきた。
『Toyの名瀬智希、熱愛か?』
一瞬目の前が真っ白になる。
パニックになりかけた思考を落ち着かせて、とりあえずテレビを消した。
別におかしい事ではない。
いい歳した大人だし、恋愛の一つや二つあっても不思議ではない。
今までだって恋愛話をしたりしてた。
...そう思っていても気持ちは追いつかない。
ぐるぐると同じことばかり考えてしまう。
「あかん、寝よ...」
寝室に行きベッドに横になるが、やっぱり眠れない。
自然と涙が出てきた。
カーテンから朝日が射し込む。
眠れないまま、気づけば朝になっていた。
「仕事行かな...」
今日は雑誌のインタビューだったよな?
回らない頭でちゃんとできるか不安だったが、相方の央(ひさし)と一緒だからフォローしてもらえるだろう。
「...酷い顔やな」
鏡に写り込む自分の顔が、アイドルとは言えない顔で笑いがでてきた。
メイクさんに頑張ってもらおう。
出かける準備をして家を出る。
央の仕事の関係で、テレビ局でのインタビューなので控え室で待っていた。
そう言えば名瀬も収録で同じ局に居るはず。
いつもは明るい笑顔で控え室に入ってくる名瀬だけど、今日は来ない。
ま、俺のインタビューが突然だったから知らないんだろうけど。
コンコンとドアをノックする音。
収録終わりの央が帰ってきたようだった。
「...お前!何やねん、その顔」
部屋に入るなり、驚いた声で近づいてくる。
「そんなに変か?」
「いやいや、変ってレベルやないって!仕事できる顔やないで?」
慌てた声の央をよそに、自分なりに隠そうとファンデを塗る。
「なぁ、もしかしてなっちゃんのニュース見た?」
突然の指摘に、持っていた道具を落とす。
ー動揺しすぎだろ、俺。
「ん~...見たけど、なんで?」
何でも無いような顔をするけど、鏡を見て驚く。
...涙が溢れ出ていた。
「インタビューの時間遅らせるから、とりあえず落ち着きぃや。寝てないんやろ?」
「でも...」
「でもやないで!そんな顔でインタビューなんてファンに失礼や」
そう言って部屋から出ていく。マネージャーに相談しに行くのだろう。
俺は今日この仕事だけだけど、央は次があるのかもしれない。
仕事で迷惑かけるなんてはじめてだ。
...考えても仕方ないので畳に寝転ぶ。
昨夜寝てなかったからか、気づけばそのまま眠っていた。
さわさわと頭を撫でる感覚で目が覚める。
「ん...ひさ...し?」
そう言ったものの、違う雰囲気を感じ取り跳ね起きる。
「名瀬...!」
離れようとした身体を引き寄せられ、抱きしめられた。
何故ここに居るのかとか、どうして抱きしめられてるのかとか、色んな思いが駆け巡る。
でも、答えは出ない。
「洸ちゃん、ごめん」
「え...」
見上げたそこにあったのは、不安気な名瀬の顔。
眉間に皺を寄せ、悔し気な顔をしている。
「俺、ズルいよな。洸ちゃんの気持ちが分かるまで何も言わなかった。こんなに泣かせて...」
ーどういうこと?
「俺、洸ちゃんのこと好きだよ。失うのが怖くて、なかなか言えなくてごめん」
突然の告白に驚いて何も言えない。
名瀬が俺のこと好き??
だって、俺男だよ?
二人ともアイドルだし、世間にバレたら大変なことになる...。
嬉しいはずなのに、色々なこと考えて、何も言わずにその場を離れようと、名瀬から離れる。
でも腕を掴まれて離れられない。
「仕事の事とか、アイドルだからとか、そんな事は全部置いて、洸ちゃんの気持ちだけ聞かせて」
そんな事言われたら、答えは一つしかない。
「俺も、名瀬のこと好きや。ずっと好きやった」
俺の答えを聞いて、名瀬がまた抱きしめてきた。
俺も名瀬の背に手を回す。
ふと顔を上げると名瀬も俺を見ていた。
見つめ合う瞳が少しずつ近づいて、キスするんだなって人ごとのように思う。
軽く触れるキス。
それだけで身体中電気が走ったような感覚になる。
もっと触れたい!と思った瞬間、ノックと共にToyのリーダー木島の声がした。
「名瀬、時間やで」
慌てて離れる身体。
温もりが無くなって、少し寂しさを感じた。
「すぐ行きます。...洸ちゃんこの後の仕事は?」
「雑誌のインタビューだけ」
「じゃあ、収録終わったら部屋行くね」
くしゃっと頭をひと撫でして部屋を出ていった。
一人残された部屋で、今のは夢だったんじゃないかって思う。
でも抱きしめられた感覚やキスした唇の感覚が、有無を言わさず今あった出来事を思い出させる。
ー夢じゃないんだ...
仕事を終えて、家に帰る。
風呂に入ってゆっくりしていると、チャイムがなった。
名瀬の顔を確認してドアを開けた瞬間に抱きしめられた。
「...っ!」
驚く俺を無視して、キス。
触れるだけのキスから、次第に深くなっていく。
舌を絡め取られ、クチュクチュと言う音が響く。
「んっ...は...」
玄関先で繰り広げられる出来事に、羞恥心でいっぱいになるが、名瀬は辞める気ないようだ。
どんどん身体が火照っていくのを感じる。
「名、瀬...!」
苦しくなって胸を叩く。
チュッと音を立てて、唇が離れていった。
「洸ちゃん、可愛い」
軽々と俺を抱き上げて、寝室へ移動する。
勝手知ったる...ってやつ。
ベッドでまたキスの雨。
熱を帯びた下半身のソレを名瀬は躊躇なく触れる。
「あ...まって...」
「待ったは無し」
はだけた服から出てきた乳首を舐めながら、ソレを扱う。
気持ち良すぎて声が抑えられない。
「...ぁ、あっ!...と、もぉ」
無意識に下の名前で呼ぶ。
一瞬オトコの顔になった名瀬に、ドキッとした。
首を振り、すぐに優しい顔に戻る。
「イッていいよ」
「ん...あ、やぁぁ!」
白濁を手に受け止めた名瀬は、側にあったティッシュで手を拭き、俺のも綺麗にする。
服を整えて、ベッドにもぐり込んできた。
ー名瀬はいいの?
疑問に思う俺に、名瀬はそれを分かったように笑う。
「俺は今日はいいんだ。洸ちゃんが気持ち良くなってくれたらいい」
泣かせたお詫びって言いながら、額にキス。
熱愛報道の真相も聞いて(マネージャーも居た席でのワンシーンを写真に撮られたらしい)安心した俺は、名瀬に抱きついて心音を聞いてたら眠くなってきた。
「名瀬、好きや...大好き」
そのまま夢の中へ...。
その後眠りについた俺からそっと離れて、名瀬がトイレに行ったのは...俺の知らない話。
*****
エッチしてもよかったんですけどね、なんか洸介を大事にしたいっていう名瀬の気持ちが伝わればいいなぁと思いながら書きました。
こんな感じの短編を書いていきます☆
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