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154 欲しいアイほど手に入らない
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◆ ◆ ◆
鶴見の家は、教室から見える最も高いマンションの上層階だった。
家というよりホテルのようなセキュリティで、真っ黒なカードをエレベーターやドアにかざして次々にロックを解除していく鶴見はスパイ映画の主人公のよう。
──彼の部屋に行くということは、つまり、そういうこと。
帰らなくては、と思う一方で、この高級な世界の先が見たいという気持ちに打ち勝てず、ずるずると鶴見のあとをついていく。
住む世界の差に驚き、ぽっかりと口を開いている俺はさぞかし間抜けな庶民の顔をしていただろう。
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