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「凛くんはやさしいし、かっこいいし、ケンカも強いし、料理もうまくていいなぁ。ぼくにはもったいないぐらいだ」
鶴見レベルのぐずぐずにダメなやつに褒められてもちっとも嬉しくない。
「別に。それぐらい誰にだってできんだろ。弁当は夕飯とかの残り詰めてるだけだ」
「ぼくにはできないよ。すごいなぁ」
褒めるレベルがあまりにも低すぎて、マジで嬉しくない。
目的が見えすいている。
鶴見はそれで俺を乗り気にさせたいのだろう。そんな手に乗るわけにはいかず、怒りにまかせて箸をおいた。
「……オンナみてぇだろ」
「え?」
「他のやつに言われたんだ。『お前がオンナだったら結婚したかった』って」
「ああ、健太さんですか」
その名を出された瞬間、さっきまで健太が座っていたソファが視界に飛び込んできた。未練がましくあいつを見つめていた自分をいまさら恥じた。奥歯をグッと噛み締めれば、鶴見は「ふふっ」と肩を震わせた。
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