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「意外とやわらけぇ…な!」
「このまま押せばいけるぞ!」
石像に臆する事なく攻撃をかましていく
多少のギミックはあるものの、そこまで難しいものではないからどんどんHPが削られていって
「っし!ラスト!!」
飛び上がったりんごの持っていた大剣が、石像の背中…心臓あたりを切り込む
その瞬間バラバラバラ…と砂埃のように石像が溶け、窓からの風に流されるようにして消えていった
「おっしゃー!先ずは1階制覇!」
「次の階、登りますね。」
「うんっ、おねがいします、」
制限時間のタイムはさっき開始した
後は、ただひたすらに上へ上へと向かうだけだ
「だんだん強くなるからな、気ぃ抜くなよ。」
「へいへーい!」
楽しそうにみんなが返事して、チカの後を追って行く
(何だ、楽しそうじゃん。)
命がかかってんのに気楽だなまったく。
「ーーーっ、はは、」
自分の回復に安心してくれてるのが分かって、とても嬉しい
「っしゃ、このままクリアだ、」
タンッと地面を蹴って、俺もみんなの背中を追った
「っし、4階クリアだな。」
2階…3階とガツガツ倒していって、ようやく4階にいる中型を倒した
「後どんくらい時間残ってる?」
「えっと…5分の3くらい……?半分ちょっとは残ってますっ、!」
「半分ちょっとか…次が鬼門なんですよね。」
次の5階にいる中型は一癖あって、倒すのに時間がかかる
ラストのボスに時間がかかるのを予想すると、この時点で半分ちょっとはややまずい
(やっぱ初めて来るIDな分、時間がかかるな……)
2回目3回目と回数を重ねると時間にかなりの余裕が持てたかもしれないが………
「ま、初回はしょうがねぇか。
ーーーアサ、頼めるか?」
「うんっ、いける。覚えてるよ!」
コクッとアサが強く頷いてくれて、さっき通ってきた廊下の窓の方へ走って行く
「……?何だ?」 「アサ、そっち進行方向と逆やで?」
「いーから、お前らも付いて来い。」
パタパタ走るその背中を追った先
アサが、ひとつの窓ガラスを割って下を覗いた
「…うん、ある!行けるよ!」
「おぉ、やっぱTMと一緒だな、良かった。」
「おっしゃナイスアサ!」
「ん? 何があるんだ?」
「?」を浮かべる2人にニヤリと笑った
「ここのIDには、裏技があんだよ。」
レベル99ID〝空の塔〟には、隠しルートがある
その道を行くと、5階の中型を倒す事なく6階へたどり着けるというもの
「5階が大変な分、恐らくこのゲームを作った側が隠しルートを作ったんだろう。」とTMでは言われていた
「まじか!そんな裏技あるんか…じゃぁそれで6階まで登れば!!」
「5階の中型は倒さなくても6階に行けます。ですが……」
こういう美味い話には、絶対リスクがあるもので
(だが、アサいれば問題ねぇな。)
そのリスクは、弓がいればなんて事はない。
「ま、取り敢えず窓から下のあの出っ張りに飛び降りるぞ。」
念のためバリアでみんなの身体を包み込む
「え、落ちるんこれ……て、ちょ、アサ!?」
ふわっとアサが窓枠を蹴って1番に落ちていった
その後にチカが続く
「みんなも早く降りておいでー!」
「まじで!?俺バンジージャンプとか無理やねん!」
「言ってる場合かよみかん…先行くぞ。」
「あ、おい待て!」
青ざめるみかんの隣を、赤い髪が華麗に飛び降りる
「……おい、オレンジ野郎。バリアの維持時間何秒か知ってるか?」
「さ、30秒やなぁ…」
「後7秒で切れるぞ。」
「え、」
「もう切れた後はお前の為だけにバリアなんて張ってやんねぇからな。」
「ええ、!」
「ほら、5、4、3…」
「うわあぁぁ!い、いくで……!!」
「はっ? ちょ、え?」
グイッと腕を掴まれて
「うおりゃあぁぁぁ!!」
「うわっ、お前……っ、!」
思いっきり巻き込まれて、2人でアサたちがいる場所に落ちていったーーー
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