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あいつらから離れるようにガンガン歩いて行って
大分離れたところでようやく足を止め、チカの腕を離した
「さっきは、悪かった…な……」
目の前にいる顔が見れなくて、下を向く
(軽蔑…されただろうか。)
「お前こんな目で見られんのか」って、「引くわ」って
もし、チカにそんな事言われたらーーー
(俺、立ち直れんのか……?)
俺ってこんなに弱かったっけ?
おかしいな、リアルじゃもっと強いはずなのに。
こんな俺に4年も付き合ってくれる奴なんて、今までいなかったから?
それとも、この意味のわからない現実の所為で俺も頭が逝ったのだろうか?
柄にもなく緊張して、ローブをぎゅっと握りしめながらチカの返答を待つ
「…お前、何言ってるんだ?」
「へ? て、ぅわっ、」
ガシッと頭を掴まれてわしゃわしゃわしゃっ!と髪を両手で掻き回された
「なっ、おいやめろって、!」
「はは、お前が似合わないこと言うからだ。」
「っ、」
散々やって満足したのか、ようやく手が離される
「お前ってさ、何かハリネズミみたいだよな。」
「は、?」
「いや、何かVCしてた時から思ってたけどさ、嫌に口悪いし何か無理してるっていうか…そんな感じがしてたから。」
「出会ってやっと理由が分かった」と優しく微笑まれた
「何年の付き合いだと思ってんだ。お前は、お前らしくいろよ。俺はそんなお前が好きだよ。」
「っ、!」
ニコリと目の前の顔が笑って、その瞳にびっくりしてる俺の顔が映ってる
「あぁ、別に変な意味は無いからな。」
「…っ、あはは!何言ってんだ当たり前だろ。男に言われても気持ち悪りぃだけだって。」
(チカと友だちで、良かった。)
あんな事があっても、全然引かずに態度を変えることなく俺の隣に居てくれる
(居心地がいい…な。)
「じゃ、次のID目指して進んでくぞ。」と改めて一緒に歩き出して、そっとローブの上から心臓のあたりを押さえた
こんなこと弱い事今まで一度も考えたこと無いのに、
「こいつにだけは、嫌われたくないな」って、「こいつだけは失いたくないな」って…
そんな心の声が聞こえた
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