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melt.7(R-18)
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「入れるぞ」
ガクガク震える体で放心していれば、降ってきたのは無情な声。
まって、
そう言いそうになるのを必死で抑える。
ちがう、ちがう。
だめだ、ビジネスなんだから。
耐えろ。
これ以上みじめを晒すな。
ちゅっ、
まるでキスでもするような音がして、ぬるりと後ろに男のモノが擦りつけられる。
それだけで腹の奥がじんと痺れて、死にたくなった。
そして、とうとう。
「……………ッぅ、」
ぬぷ、と小さく音を立てて、入ってきたそれ。
漏れそうになる声を、必死で噛み殺す。
うそだ、こんなの。
嘘に決まってる。そうじゃないと、こまる。
「……ッ、…………ぁ、………………っ、っっ」
あんなに大きかったのに。
難なく飲み込みどころか。
「キツくないか」
そう言って、馴染ませるように入り口を軽く揺すられて。
「……ッ、ひ、ぅ、…………っ、…………ぁ、」
とてつもない、快楽が押し寄せる。
「……ん、大丈夫そうだな」
ずちゅん!!!!
俺の反応を見てか、一気に進められた腰。
「〜〜〜〜〜〜!?!ッッッ、」
視界がスパークして、全てがふきとんでいく。
「ここ、だろ」
も、むり。
むりだって、
それなのに、先端で散々弄り倒されたあの場所をこねられて。
「〜〜〜〜、っ、ぁ、〜〜っ、、、」
「おい、噛むな」
せめてもの抵抗すらはぎとられ。
「あ、ぁあぅ、あああああ、も、や、あぁぁ」
口の中を指で弄ばれながら、後ろをこねまわされ、喘がされる。
汚いかお、汚い体、汚い声。
ほんと、やになる。
「ほんとに嫌か?」
それなのに投げかけられる、そんな言葉。
その言葉に、反応する、俺の体。
得体の知れない感情が湧き上がって、反論しようとするのに。
「あ、ぁあああ、んぁ、も、ぁ、ぁぁぁあああ」
それすら全て、ただの喘ぎにしかならない。
気持ち悪い、
きもちわるい
キモチワルイ
いやだ、やだ。
喘ぐたびに、自分が正当化できなくなる。
言い訳が、できなくなる。
ちがうのに、俺が喘ぐのは、仕事のため。
相手を喜ばせるための、リップサービスだったのに。
「…………ふ、ぅう、ぅあ、」
こんなにもいやなのに、体は甘い刺激にあっさり陥落して、その先をねだるように、媚び続ける。
ずるりと、ぬけるそれにすり寄って。
差し込まれれば、甘えるように、受け入れる。
その度に、感じたこともない甘美な刺激が走って。
全てを捨てて、それに浸りたくなる。
いやだ、こんなの、俺じゃねぇ。
「…………ひっ、も、もうやぁ、あぁ、」
「…………」
「こ、ぁっ、こんな、の、んぁっ、あ」
「…………」
「こんな、の、しらないぃ、」
男は、なにも言わない。
四つん這いの体勢で、後ろから突かれているせいで、表情すらわからない。
「ん、ぁ、あ、あああぁぁあ、、ぁ、、あ、」
ただ、俺だけが一方的に、醜態を晒し続けて。
溢れる、あふれる。
あふれて、しまう。
いやなのに、やめたいのに。
ポロポロこぼれてやまない、こえ、なみだ。
喘いでるんだから、泣き喚いているんだかわからないくらい、ドロドロになって。
全部汚くて、だいきらいだ。
「…………イけ」
そんな思考を重ねても。
ぼそりと、殊更低く告げられたその声に、体は甘く痺れる。
そうして走った甘美な刺激に視界が白むと同時に、記憶は途切れた。
シャァアアア
「…………ッ!!!」
ふと聞こえたシャワーの音に、ハッと目をさます。
は?ここ、どこ?
なんで、俺は他人の気配がする部屋にいる?
初めての状況に固まりかけた脳みそを必死に動かして。
『…………ひっ、も、もうやぁ、あぁ、』
脳裏に蘇ったその、甘すぎる声に。
「…………う、ぇ、」
吐き気が込み上げて、思わずえずいた。
最近ろくに食べていなかったため、出るものがなかったのがせめてもの救いか。
無理。なんだあれ、気持ちわるい。
じぶんだなんて、認めたくない。
それが例えば、うえつけられた本能の一部なのだとしても。
このビジネスの中で、自分が気持ちよくなるなんて、どうしても許せなかった。
きもちわるい。
きもちわるい。
きもち、わるい。
「……くそ、」
衝動に任せて服を掻き集めながら、ふと感じた違和感。
あんなに、思い出すのも嫌なくらい、ドロドロだった筈の身体はスッキリしている。
心中の不快感とは裏腹に、まるでなにもなかったかのようにこざっぱりした身体。
「…………」
いやでも、あの男がそうしたのだとわかった。
ということは、そうされている間に、自分が呑気に意識を飛ばしていたってことだ。最悪。
あー、ほんと、気持ち悪ぃ。
一刻も早く、この空間から出て行きたい。
理由も不明確なまま、こみ上げる焦りに、息が乱れる。
ベッドから上体を起こせば、頭はガンガンと痛み、叫び続けたせいか、喉もヒリヒリと痛む。
はやく、はやく。
イラつきながらも、もたつく腕で、シャツを着て。
震える足をズボンに通し、立ち上がろうとすると。
「ッ?!?」
カクンッと膝が折れて、地面に崩れ落ちる。
…………は?
なにこれ。
こんなことしてる場合じゃねぇのに。
どんなに立ち上がろうとしても、腰も足も震えて、まるで役に立たない。
もうこの際、なりふり構っていられるかと、床を這いずりながらドアまで進み。
「………は、…………はぁ、」
自分の荒い息に、否応無く呼び起こされる嫌な記憶と吐き気に蓋をして、どうにかドアの取手に手をかけ、それを支えに立ち上がる。
あとは、ドアを押して、外に転がり出ればいい。
無様だって、汚くたって構わないから、はやくこの出来事を洗い流したい。
体だけじゃなくて。
心から、記憶から。
それなのに。
「おい、まて」
そんな、後ろから聞こえた声に身体は引き寄せられ。
ガチャン。
少しだけ開いたドアは、やけに重い音をたてて、再び閉ざされた。
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