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あれから一人で帰っていると、孝輔さんからLINEが来た。
内容は貴大は大丈夫だったかって。
それに既読をつけると、電話がかかってきた。
一瞬、電話に出るか悩んだが既読をつけてしまってはもう遅い。
大人しく応答する。
空葉「はい。」
孝輔「もしもし、あれからどうだ。」
あれから、か。
きっと貴大のことを気にしているのだろう。
少しの間、接して孝輔さんが優しい事は知った。
空葉「今解決しているところです…貴大と居てくれて、ありがとうございました。」
普通に話してはいるが、黒い感情が腹の底から出てくるのがわかった。
孝輔「あれは偶然だ、俺は何も出来なかったしな。」
そう言われて先程の光景を鮮明に思い出した。
抱き締めてたじゃん、何も出来なかったって何。
っ…だめだ、こんな感情本当に嫌い。
醜くて、汚い…
あれは孝輔さんが優しい心を持っているから貴大を慰めようと抱きしめていたんだ。
それに相手は貴大だ、有難いのに気にする必要なんて…
頭ではそう思っても口から出そうになるのは醜い言葉。
空葉「…外回りしてたんですよね、お疲れ様です。
今日はゆっくり休んでくださいね。」
余計なことを言う前に早く電話を切りたい。
孝輔「…まだ帰ってこないのか。」
少し焦ったような、でもどこか不機嫌のような声音で呟かれた。
思わず聞き返す。
空葉「え?」
孝輔「今お前の家の前に居るんだけど、まだ?」
なんで、どうして僕の家の前に…?
驚いて電話を切り、走って家に帰った。
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