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その沈黙に耐えきれなくて、僕から口を開く。
空葉『…頼りないとかじゃないです。』
孝輔『言うまで口聞かないし、家からも出さない。』
そっぽ向いて言われた言葉に驚く。
空葉『そんなっ!!』
反抗しようとしても目も合わせてくれない。
どうしよう、本当に言うしかないのかな…。
ちらっと見ても依然としてこちらを見ない。
ため息をついて腹を括った。
空葉『さっき、僕が孝輔さんと貴大と会った時…』
僕が話し始めたのに気づいて、こちらを見た。
孝輔『会った時?』
言いたくない、こんな心の狭い人だと思われたくない。
けど、言うしかないよね。
空葉『…貴大を抱きしめてた。
それは慰める為だって分かってるし、貴大は大事な人だから感謝もしてる。
けど、なんかモヤモヤして…』
言ったことには言ったけど、後半声が小さくなり震えた。
孝輔『それって、嫉妬か?』
嫉妬、という言葉にビクッと反応してしまう。
孝輔『俺が貴大に抱き着いてたから、俺に嫉妬?』
いや、違う。
孝輔『…それとも貴大に嫉妬?なぁ、答えろよ。』
孝輔さんはもう分かったらしく、ニヤついている。
空葉『…貴大に。』
あの時の事を思い出すと、まだモヤモヤして。
孝輔『それで怒ってたのか?』
空葉『別に怒ってない、けど…僕が来てすぐ帰ったのが嫌だった。』
孝輔『お前さ、俺の事好きだろ。』
まさか自分からそんなことを、それも急に聞かれるなんて思っていなかった。
空葉『っはぁ?!ちちちちちがうもんっ!』
僕のバカ!そんな吃ったら怪しいわ!
孝輔『好きじゃないのか?』
少しシュンとして聞かれたので焦る。
空葉『いや好きだけどっ!!!』
咄嗟に口から出て、慌てて口を抑える。
だが、出てしまったらもう遅い。
孝輔『けどって要らないだろ、好きでいい。』
くくっ、と愉快そうに笑う孝輔さんに先程のモヤは消えた。
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