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「あ、あの⋯これは⋯⋯」
あの桜音が俺に対して言い淀んでいるのが気に食わなくて、尚更イラッとしてしまう。
それじゃあ疚しいことをしていましたって肯定してるみたいだから。
いつもみたいに『勘違いしないでくれます?バカ王子』くらいは言って欲しかった。
「勿論、説明してくれるよね?じっくりと」
「う⋯⋯」
ガッシリと桜音の腕を掴めば、泣きそうな顔。
そんな顔されても俺は優しい人間じゃないし、きっちりと説明してほしい。
「ほら行くよ。史親、お前はまた今度ね」
とりあえず桜音の意見を聞かなきゃ始まらない。
浮気なのか、そうじゃないのか。
そう思って自分の家の方向に歩き出そうとした時だった。
「ま、待ってくれ兄貴!話なら全部俺がするから!」
そう言って史親は、桜音の腕を掴んでいる方に飛び付いて引き止めてきた。
「ちゃんと、話すから⋯⋯」
「先輩⋯」
言いたい事と聞きたい事はたくさん合った。
でも、恋人と弟が泣きそうな顔で訴えてきたら流石に弱いものいじめしてるみたいだし、同情もする。
「ほら、さっさと家に行くよ」
仕方なく、史親の腕も掴んで改めて自分の家へと向かった。
***
「で?」
睨み付けそうになる自分を抑えて、怒りも抑えて、なるべく優しい声で2人に問いかけた。
その様子に2人ともホッと息を吐き出したようにも思える。
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